どこから犬を迎えるときも
ドッグコーチ 里見 潤 さん
ドッグコーチ 里見 潤 さん
たまたま見たバラエティ番組での人気犬種ランキング。
2位「チワワ」は、運動量が少なく、散歩も少なくてよく飼いやすいと紹介されていました。
アイドルが子犬を抱っこし、何度も可愛いと言っている画面に向かって「いやいやそんなわけないだろう!」と毒吐く自分。
以前、70代ご夫婦のオーナーが、ペットショップでこれと似たことを言われ、豆柴の子犬を飼いました。
そして、飼い始めすぐに散歩の引っ張りや強い甘噛み、高齢のご夫婦と合わない運動量に困ってレッスン依頼が来たことを思い出しました。
週末、家族連れで賑わう大手ペットショップ。
子犬を前にして、これからの飼育の大変さを考えることは難しいかもしれない。
しかし、犬の習性や特徴や飼い方を知らず、『可愛い』だけで飼い始めると、生活を始めてから発生する困ったこと・悩みことに驚き、初めて犬の飼育の大変さを実感することになる。
そんな家族がとても多いのです。
一方、小〜大型までの保護された犬を施設や個人宅でボランティアが世話をしている動物保護団体。
保護犬の存在を知った方が、『可哀想』というイメージをもつことがある。
しかし、ここでも『可哀想』が先行して飼い始めれば、やはり迎えた後に困ったこと・悩みことが発生し、驚く家族が多いのが現状です。
月齢に関係なく「どんな犬」を「どこから(ペットショップ・動物愛護団体など)」家族に迎えても、『可愛い』や『可哀想』という感情をいったん横に置き、犬という生き物を知っておくことは必要です。
もちろん、可愛いや可哀想で犬を迎えて悩みができても、時間を掛けて向き合い、トレーニングをしてゆくことで、家族になっていくことも沢山います。
そして、それと同じくらい何もしなくても悩みがないこともあります。
犬を迎える前に、いい面だけでなく、難しい面も知っておいた方が家族のためになり、犬のためにもなります。
子犬であれ、保護犬であれ、ペットショップの店員・保護団体のスタッフ・トレーナーが、犬を飼おうと考えている家族に、犬のいい面だけでなく大変な面をもっと伝えていく努力が必要だと、人気犬種ランキングを見ながら考えました。
『飼いたい犬』と『飼える犬』は、家族によって違い、可愛いや可哀想だけでは犬は飼えないのですから。
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