ようこそ猫カフェへ
里親募集型猫カフェ「Hakobuneco」の
取り組み
第1回 猫カフェってどんなところ?
猫たちに癒される空間として、大人気の猫カフェ。飼い犬を連れて入店できるドッグカフェに対して、猫カフェはお店が飼っている猫たちを室内に放して、一緒に遊んだりくつろげるというスタイルだ。人気が高まるにつれて、猫カフェも個性化の時代に突入し、内装に工夫をしたカフェや、ブログや動画投稿サイトでも大人気のアイドル猫がいるカフェ、はたまた猫の血統にこだわるカフェなど、様々なスタイルがあるようだ。それだけ多彩なニーズがある、ということでもあるのだろう。
そんな中で、最近注目されているのが「里親募集」を兼ねている猫カフェだ。カフェ内にいる猫は、事情があって保護された子たち。街角でみかける「譲渡会」とは違って、カフェでのびのびと暮らしながら猫たちは新しい里親を待つ、という仕組み。猫カフェは「新たな家族との出会いの場」になっているのだ。中には処分されるぎりぎりのところで保護され、猫カフェで家族とめぐり会い、幸せな暮らしをつかんだ猫もいるという。
山梨県にあるHakobuneco昭和店は、里親募集型の猫カフェだ。2010年3月14日に中巨摩郡昭和店がオープンし、2012年2月には東京都八王子市に2号店もオープンした。
ここのカフェがユニークなのは、動物病院と動物愛護団体が連携しているところだろう。店名の「Hakobuneco=はこぶねこ」の由来は、「はこぶ」と「はこぶね」と「猫」を一体化させたもの。発案者でもある、ノア動物病院のコンセプト「救える命を救いたい」という思い、さらに、年間20万頭にものぼる殺処分をなくすべく一石を投じたい、という背景もあるようだ。
こうしたバックボーンを持つHakobunecoであるが、お店はあくまでも「出会いの場」であり「猫たちとのふれあいの場」。のんびり猫とくつろげるごくごく普通の猫カフェだ。
ここからは、Hakobuneco代表の水野綾子さんに色々とご指南いただきながら、ご紹介していこう。まずは、お店の特徴について伺う。
「なんといっても動物病院と動物愛護団体とが提携している、ということですよね。動物愛護団体で保護された猫たちは、ノア動物病院でワクチン摂取や去勢避妊手術などを受けて、健康的にも問題のない猫たちがカフェにやってきます。つまり、このお店に来ている子たちは皆、動物病院でしっかり管理されている猫たちなんです。全部の猫が譲渡対象になりますので、去勢避妊だけではなく、ノミ・ダニの駆除、ワクチンもHIVや白血病、コロナウィルスなど伝染性の病気を予防するために細心の注意が払われています。全猫に迷子防止のマイクロチップも入っているんですよ」
というから心強い。これから初めて猫を飼ってみたい、という方でも安心ではないだろうか。猫たちのカルテもあるし、猫を熟知したスタッフに色々聞いたりもできるのだから。
ところで、里親募集の猫カフェというと、里親を希望する人だけが来店できる特殊な猫カフェなのか、気になるところだ。
「いえいえ、普通に猫とふれあうだけでいいんですよ。うちのお店にいらっしゃるお客様は本当に色々で、カップルなど複数でお見えになる方もいれば、お一人で来店される方もいらっしゃいます。年齢層も幅広くて、お子様からご年配の方までいますが、皆さん里親が目的というわけではありません。家で猫が飼えない方がここに来るとか、飼っていた猫をなくして寂しいからという方、家で猫飼っていても来店される方も結構いらっしゃいますね。
また、うちの店で猫にめぐり会って里親になった方でも顔を出してくださる方もいらっしゃいます。何を隠そう、私も家で猫5頭飼っています。職場でも家でも猫だらけ(笑)。他のスタッフもそうですね」
理由を問わず、猫に会いたくなったら気軽に猫カフェに行ってみよう。
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