人・動物ともに、夏の暑さによる死亡事故が毎年発生しています。
「注意していたのに、、」「油断していた」きっと様々な状況下で起こっていることでしょう。
今年は、前例がないほどの猛烈な暑さが続いている日本。
その暑さの中で、動物たちが苦しみ命を落とすことがないように、祈らずにはいられません。
今回の記事は、動物虐待や違法行為などに関する「獣医法医学」を専攻し、現在、日本人で唯一の認定法医学獣医師である西山ゆう子さんが、Facebookに投稿されていた
「暑い中、屋外に放置され、辛そうにしている飼い犬を見た場合の通報の仕方」
を少しでも多くの方に知ってほしいと思い、転載の許可をいただき掲載させて頂いています。
一匹でも多くの動物たち、そして万が一にも苦しんでいる動物を見かけた方の助けになりますように。
GORON 吉川奈美紀
近所の飼い犬で、ずっと屋外に置かれてへたばっている犬を見たら。
公園やスーパーの外に、つながれて、暑がっている犬を発見したら。
車の中にペットだけ置かれて、暑そうにしているペットを発見したら。
ここでは「犬」の例を紹介していますが、基本、猫も鳥も、他のペットも同じです。
しかるべき機関に通報し、1匹でも多くの尊い命を救えたらと思います。
1.犬が意識不明などの緊急状態ではない場合
管轄の地方自治体の、動物愛護管理行政に電話連絡してください。
動物愛護管理行政担当一覧(環境省)
https://www.env.go.jp/nat…/dobutsu/aigo/3_contact/index.html
場所により、都道府県、市町村など、管轄が異なります。
2.現状を説明し、
「自分の犬ではないが、熱中症を危惧する」という旨を明確に伝えてください
すぐに現場に来て、飼い主に注意指導をするよう、要請してください
動物が、熱中症の危険にさらされているのか、どの程度の緊急性があるのか、判断できることが前提です。それゆえ、獣医師免許を持つ職員に来て頂くことが重要です。
3.行政から、「担当のものがすぐに現場に行けない」と言われた場合
あるいは、地方自治体の行政の業務時間外である場合(夜間、土日など)
あるいは、動物が緊急状態である場合
管轄の警察署へ、通報してください。
4.行政および、警察へ通報をする時のヒント
できるだけ、自分の感情ではなく、犬の状態を明確に伝えて下さい。
「意識もうろうとしている」
「立てない」
「ひどくハアハアして倒れている」
「失神しているようだ」
「異常に流延している」
など、犬の状態を明確に伝えて下さい。
「とにかく暑そう」「かわいそう」「このままだと死んじゃう」「この家はいつも庭に犬を放置していて、ろくに散歩もさせていない」「せめて毛くらい刈ってあげたい」というのは、自分の感情、意見が入っており、相手に明確に情報が伝わりません。
5.犬の状態が非常に重篤そうな場合、あるいは、車内放置などの場合
警察に、「緊急状態であり、一刻も早いアクションが必要」と、緊急性を伝えて下さい。
6.自治体によって、警察も行政も、動物愛護法の認識が徹底しておらず、直ちに行動しない場合もあるかもしれません
初めから、「どうせ行政は動かないから」「どうせ警察は来てくれないから」と決めつけず、正当な方法で、いち市民として通報してください。
関係機関も、市民の通報から学ぶことでしょう。
日本は、他人が所有しているペットに対して、所有者ではない、いち市民が行動をとることが、まだまだ難しい国です。
しかし、この猛暑の中、飼い主に守ってもらえず、命を落とす例がたくさんあります。
どうか皆さまの小さな努力で、1匹でも多くの動物を救うことができれば、と願ってやみません。
「西山ゆう子さんFacebook」より 2018年7月27日転載
西山ゆうこさんは、米国で獣医師として動物たちの医療に携わるかたわら、日本での動物虐待の認知を広めために、SNSでの情報発信や日本国内での講演会をおこなっています。
詳しく知りたい方は、下記URLより情報をご覧ください。
【西山ゆうこさんFacebook】
https://www.facebook.com/dryukonishiyama