殺処分ゼロを目指して
~「ちばわん」の活動から~
~「ちばわん」の活動から~
第8回 私たちにできること
再び「ちばわん」代表・扇田桂代さんにお話を伺います。
‐成犬・成猫は懐かないのでは、と思っている方が多いように思うのですが。
まったくの誤解だと思います。預かりさんやいぬ親さんのブログを見ていただけばわかると思いますが、大人になってからでも強い愛着を示してくれます。ただ、中にはセンターに収容される前にひどい目にあった子もいて、そういう子は心を許してくれるまでに時間がかかることがあるのは事実です。犬にも飼い主さんにも試練ではあるかもしれません。でも必ず乗り越えられると思います。信頼関係ができた後はかえって強い絆で結ばれると思いますし、そこに大きな喜びもあるのではないでしょうか。そういう子こそ家族の一員として迎えたいと考えてくださる方も少なからずいらっしゃいます。
‐成犬・成猫だからよいことはありますか?
1歳以上になると体の大きさがほぼ決まる上に、大体の性格や気性もわかります。つまり自分のライフスタイルに合った子を選べるというのが利点だと思います。その時点で発症している病気の有無や先天性の疾患もわかります。子犬や子猫は当然お世話やしつけに手がかかりますし、いたずらも覚悟しなければなりません。はじめから犬や猫との落ち着いた生活を望むのであれば、成犬・成猫はおすすめです。
‐「ちばわん」から譲り受けるメリットは何でしょう?
期間によってもちろん差はありますが、預かりさんによって基本的なしつけができていることが大きなメリットといえると思います。また、預かりさんはその子の性格を十分把握してくれているので、譲り受けてからしつけなどで不安があってもアドバイスを受けることができます。これから家族として長期間一緒に暮らしていくわけですから、それは心強いシステムだと思います。譲り受けてから5年も経ったので、相談は受けませんなんてことはありません(笑)。預かりさんは何年たっても預かりっ子のことを覚えていますよ。
‐トライアルという制度もありますね。
はい。譲渡する前に、必ず1ヶ月のトライアルをしていただきますので、その間に相性などを確認することができます。何も問題がなければ正式に譲渡となります。トライアルでうまくいかなければ、預かりさんのところに戻ります。ちゃんと居場所はありますから、「この子はどうなるの?」などとご心配いただかなくても大丈夫(笑)。預かりさんは引き続きその子と一緒に生活しながら新たな いぬ親さんとの出会いを待ちます。家族の一員として終生面倒を見ていただきたいというのは譲れない条件なので、そこで妥協していただく必要がないんです。お互いがベストな相手と出会ってほしいので。
‐ボランティアに参加したい!という人には、どのような活動がありますか?
最初にもご紹介した、預かりボランティア・いぬ親会・ねこ親会の運営ボランティア・動物愛護センターの清掃ボランティアが主なものです。獣医やトリマーなどの専門的な技能のある方はそれを生かしていただきたいですし、自分ができることを明確にして声をかけていただければ仕事はたくさんあります。たとえば、印刷だけ手伝いますというのでも構いません。いぬ親会では同時にフリーマーケットを開催しているのですが、そこで販売する手作り品を作っていただくのも大歓迎です。裁縫ができる人がいるととても助かります。先日も、たたんだケージをしまうバッグを作ってもらって大助かりでした。
‐ボランティアは無理。でも何か力になりたいという人はどうすればいいですか?
ご寄付いただくと非常に助かります。「ちばわん」では、保護している犬猫の医療費を寄付金でまかなっていますが、決して充分とはいえません。また、フードや物資の援助を募ったり、季節に応じて、愛護センターで過ごす動物たちのために毛布の寄付をお願いしたこともあります。そのつどHPで告知していますので、ときどき覗いてみてください。
‐ボランティアや寄付という具体的な形をとらなくてもできることがありそうですね。
一般の人が意識することで、簡単に貢献できることもあると思います。たとえば、動物を飼いたいという人が近くにいたら「保護団体から譲り受けるという手もあるよ!」と声をかけていただくとか。また、動物を飼っている人に避妊・去勢手術をすすめたり、ワクチンや病気予防の必要性を話してあげるのもいいと思います。保護団体に諭されるより、友だちに言われるほうが素直に聞けるということもありますしね(笑)。
次回は最終回。今後の活動について伺います。
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