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プロレスで「犬猫殺処分ゼロ!」?! プロレス集団ZERO1大谷晋二郎さんに聞く – 第3回

プロレスで「犬猫殺処分ゼロ!」?!

第3回

  プロレス集団ZERO1 さまざまな支援活動


 プロレスを通じて犬猫殺処分ゼロを訴えているプロレス集団ZERO1。これまでも、さまざまなメッセージを発信し、現在も被災地支援など、さまざまな活動を行っています。今回は、ZERO1さんのさまざまな支援活動について伺います。

――ZERO1さんでは東日本大震災の復興支援をはじめ、さまざまな支援活動もされていますね。

いじめ撲滅!

 3・11の東日本大震災の時はこの道場にいました。ものすごい揺れでしたよね。関東についに大地震が来たか、と思ったら、東北だった。関東でこれだけ揺れたのに、東北はどうだったんだろうと。そのときに、われわれにできることってなんだろう、と考えたんです。われわれはプロレスの力を信じていますけれども、震災直後は、プロレスを見せるというような状況じゃないということはわかります。そこで、いつもわれわれのプロレスを見て下さっている方たちに、被災地に物資を届けたいということで呼びかけてみたんです。僕たちが責任もって届けますから、と。そうしたら山のように物資が集まって。

 まずは、福島の郡山の避難所へ行きました。あつまった物資をトラックに詰め込んで行くわけですけれど、運転手さん2人の他に、ZERO1からは1人しか行けない。みんな、自分に行かせてください、と言ったんですが、僕が、「僕に任せてくれ。みんなの気持ちは伝えるから」と言って出かけたんです。郡山の大きな体育館に、1000人くらい避難されているところへ伺いました。中の方たちにごあいさつに回らせてもらってもいいですか、とお願いして回らせてもらったんです。アリーナだけではなくて、廊下や階段まで、たくさんの方が避難していらっしゃいました。でも、僕はなんにも言えなかったんです。本当は、みなさんひとりひとりと握手して「頑張りましょうね、また来ますから!」と言いたかったのに、会釈するのがやっとでした。情けないですよね。そんなことをしているうちに帰る時間になってしまって。帰りのトラックの中でボロボロ泣きました。「何やってるんだ、俺は」って。だってみんなに「任せとけ」と偉そうに言って来たのに、物資を届けることしかできなかった。情けなくて、情けなくて。

 その後も、いろいろなところに伺いましたが、あのときの二の舞だけはすまいと思って、避難所では積極的に「お話しさせてもらってもよろしいでしょうか」と声をかけました。ある方が「あの時は大変だったのよー…」とひとしきり話した後、「ありがとねー、話を聞いてもらってちょっとすっきりしたよ」って。それを聞いて、ああ、話を真剣に聞くということだけでも、手助けになるのかな、と学びました。

 震災から2か月くらいたったときに、ぜひプロレスを見せてほしいとお声掛けいただいて、リングを持って出かけました。そうしたらすごい数の人が来てくれた。みんな夢中で「いけー!たてー!」と応援してくれて、大盛り上がりでした。終わった後、握手会をしていたら、鼻血が出ていた僕にひとりのおばあちゃんがポケットティッシュをくれたんです。いただけません、と断ったら、「来てくれたことが本当にうれしいの。お願いだからこれくらい受け取って!」と。そのポケットティッシュは使えなくて、今でもとってあります。その時に初めて、ホッとしたというか、満足感、いや安心感のようなものを感じました。プロレスで少しでも元気を伝えられたのかなと、僕らのやっていることは間違っていない、と思うことができたんです。その後もよばれたら出かけて行って、試合を見てもらうという支援活動を続けています。呼んでいただけたらどこでも行きます!

――最近では熊本地震の支援活動をなさっていますね。

熊本地震

 ZERO1で、年に2回くらい試合で熊本に行くんです。今年ちょうどそのタイミングで熊本に行っているときに地震に遭ってしまったんです。当然試合は延期になりました。その時に、僕は思ったんです。「その場にいたものの使命」というのがあるんじゃないかと。プロレスラーの使命。人としての使命。プロレスラーにできること、あったんですよ。ある施設が崩れて、がれき撤去など、レスラーの皆さんやってもらえませんかとお声掛けいただいて。やれることは一生懸命手伝ったんですが、何だかすっきりしなかったんですよね。僕らが作業できたのはほんの一部の地域の、その中のほんの一部。もっともっと、数えきれない人たちが被害を受けている。そういう人たちに手をさしのべられないというもどかしさがありました。

 熊本も、揺れが本当に大きくて、津波がなかったから家などの被害は小さいように見えるけれども、実は本当に大変。僕らができることは小さいことだけど、元気をあげられるならと思って。

 いまは、熊本に呼んでいただいて出かけて行ってプロレスを見ていただくほかに、他の大会でも熊本地震の義援金を募っています。

プロレスラーだからできること

 この活動をしていて本当に良かったなと思うことがあります。今でも東北へよばれていくことがあるんですが、そこでも募金をしているんです。この間、東北で、「東日本の時にはお世話になったから、少ないけど熊本の人に届けてね。託すよ。」という方がいて。そのとき、もう一つ、われわれの役目を見つけた、と思いました。プロレスラーが「配達員」として、全国の人からのメッセージを運べるんだと。熊本の人に、「東北の人から、あのときはお世話になりました、少ないけれど使ってくださいって」と伝えたら、涙を流している方もいました。これって、プロレスラーだからできることの一つじゃないかなと。色々な活動をしていく中で、どんどんわれわれの使命、やるべきことが見えてくるんですね。

熊本地震の義援金

――ミャンマーやネパールにもプロレスを見せに行っていらっしゃるとか?

 はい。ミャンマーは水害復興、ネパールは震災の復興のために伺っています。僕自身は行けていないのですが…。

 ZERO1として、災害のある所へ行ってプロレスを見せて、ということができるのなら、やらせていただきましょう、と思っています。

 いま、年間130~140くらい試合をするんですけれど、半分くらいがイベントプロレスです。興業より多くはないですけど、求めてくれている方がいらっしゃるのなら、行くのが使命かなと思っています。イベントプロレスの中のいくつかはチャリティです。震災直後などは、われわれも何か手助けできないかと。

 ファンの方からも、私たちに何ができるんでしょう、と聞かれることがあるんですが、「できることからやっていきましょう」と答えています。みんながみんな大きなことをできるわけではないし、募金箱に10円いれるだけでも、周りの人に「募金しようよ」と訴えるだけでもいいんですよ。小さな力もあつまれば大きな力になります。何もできない、っていうことは絶対にないです。自分たちの事を考えてくれている、ということに、現地の方たちは勇気づけられるんです。それを伝えるのが僕たちの役目かなと思います。

――これまでいろいろな活動をしてこられていますが、今後何かやりたいことなどありますか?

 これまで、「今これに取り組むべきかな」と思っていると、自然に出会いがあったんですよね。「いじめ撲滅」のときも、いじめ問題や自殺などがニュースになってすごい時代だったんですよ。なんとかできないのかと思っていた中で始まったことで。「犬猫殺処分ゼロ」もそうです。

 僕らはその都度、目の前のことを全力でやるだけです。その中で、何かが生まれてくる。今やっていることを精一杯やることが、次につながっていくんだと思います。だから、これからこんなことをやりたいというのは特に持っていませんね。これから先も、そのときそのとき、大事だと思うことに全力で向き合っていきたいと思っています。

プロレス集団ZERO1大谷晋二郎さん

――お忙しい中、いろいろとありがとうございました。

 犬猫殺処分ゼロ以外にも、さまざまなメッセージを発信していらっしゃるZERO1さん。 今後の活動にも注目しています!

あなたのレスラーズ特設サイト 犬と猫、そして動物たちのレスラーズ
http://www.z-1.co.jp/animal/
ZERO1オフィシャルWEBサイト
http://www.z-1.co.jp/index.html

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