以前に比べると『保護犬』という言葉が一般的になりました。
ペットショップで買うのではなく、保護団体から迎え入れたいと考えるご家庭も少しずつ増えているかと思います。
今回は、友人宅が迎えた元保護犬メルちゃんのお話です。
どんな形であれ、犬を迎えるということは「命を預かること」であり「命に責任を持つこと」です。
犬を飼うこと自体初めてのご家族の決意、そして1匹の保護犬を迎えることを決めてからと、迎えてからのご家族の変化について書きたいと思います。
どうしても保護犬を迎えたかったお兄ちゃん
友人宅の家族構成は、ご夫婦と社会人の娘さん・大学生の息子さんの4人。
娘さんは、すでに住まいを別にしているので、現在ご夫婦と息子さんの3人で暮らしています。
「保護犬を迎えたい!」と考えたのは息子さんでした。
いろいろな保護団体を調べて調べて調べて、宮古島の保護団体から東京の動物病院に来た兄弟・姉妹犬たちを見つけました。
ここまではお母さんと息子さんだけで進めていたものの、保護犬は家族全員の賛成がなければ迎えられません。
お見合いに行く1週間前、息子さんが自分の思いとやっとみつけたメルちゃんのことをお父さんに話したところ、、、大反対されたそうです。
お父さんの反対理由は、最後までちゃんと面倒見れるのか?そして、部屋の中で飼うことに抵抗があることでした。
息子さんは、3日かかってお父さんを説得。
三日三晩、父と息子で大・大・大バトルだったそうですが、最終的にしぶしぶながらお父さんが折れ、お見合いの日は家族3人で動物病院に向かうことになりました。
ウエルカムというところまでいかないお父さんは、動物病院での質問もちょっと後ろ向き。
でも、お見合いの時、聞きたいことは遠慮しないで聞くのが正解です。
それぞれが思い思いに質問をし、メルちゃんと家路につきました。
お母さんは、この先どうなることやらと正直不安も感じていたようですが、その後のトライアル中の様子を聞くと、あんなにブツブツ言っていたお父さんの目じりが下がりっぱなしだというではありませんか。
部屋で飼うことに抵抗を感じていたはずが、毎朝リビングにいるメルちゃんに優しく声掛けしていると聞きひと安心しました。
ドッグランデビューの日
それからしばらくして、メルちゃんファミリーをドッグランデビューに誘いました。
最初お父さんは誘わないと言っていたお母さんと息子さんに、「ほかの犬や家族を見ることは、飼い主側も勉強になりますから」とお父さんも誘っていただくようお願いし、当日はメルちゃんを連れて家族3人で来てくれることになりました。
息子さんが大学生になり、家族3人で遠出することもなくなっていたので久しぶりの家族のお出かけとなったそうですよ。
お父さんたら、ものすごーくレンズの長い本格的なカメラを持参していました。
もちろんメルちゃんを撮るためです。
メルちゃんは、誰とでも上手に遊べるとってもフレンドリーな子。
初めてのランでの走りも素晴らしく、さらに初プールも体験。
ライフジャケットを着けたらすぐ泳げるようになり、そのうちライフジャケットなしでもスイスイ泳げるようになりました。
この時のお父さんの笑顔と、娘(メルちゃん)を見る誇らし気な顔が忘れられません。
お父さんが撮った素敵写真
本格カメラで撮った写真をいただきました。
我が家の犬と一緒に楽しそうに走るメルちゃん。
愛情ある一枚だと思いませんか?
もちろんこれだけでなく数多くのメルちゃん写真を撮ってらっしゃいました。
保護犬を迎えるため、波乱含みの数日を過ごした友人家族ですが、誰もごまかすことなく正直な気持ちでとことん話し合ったからこそ、メルちゃんを迎え入れてから「こんなはずじゃなかった」がないのだと思います。
そして、毎日みんな交代で朝晩40分の散歩のほか、家族そろってのお出かけなどメルちゃんを通じて共通の話題が増えたという友人家族。
たった犬1頭が家族に与えた変化は大きく、これからもたくさんの刺激を家族に与えてくれるに違いありません。
メルちゃん、これからもずっとみんなをよろしくね。