(始める前の準備として、「スワレ」「マテ」ができている。または、「ハウストレーニング」ができていることが条件です)
人の何千、何万倍の嗅覚を持つ犬にとって、鼻を使って大好きなおやつを探すことはとても楽しいことです。鼻を使うことは本能を刺激する犬の行動欲求の一つ「かぎたい」も満たすことができます。「歩く、走る、動く」ことだけで発散するのでなく、鼻と頭を使って発散することで愛犬もより満足し、疲れます。「いたずら」「発散不足による吠えの誘発」を軽減し、「留守番上手」になるための引き出しとしても有効です。
楽しいゲームとして飼い主さんも気楽にやってみましょう。
- 愛犬に「スワレ」「マテ」をさせます。「宝」となるごほうびを手に取って愛犬の鼻先にやり、においをかがせます。
- 「宝」を愛犬に見せながら2、3歩離れた場所に置きます。
- 「宝」に手を向けながら、「探せ」「どこだ?」「サーチ」などのコマンドをかけて、「宝」を取りに行かせます。1~3を繰り返し、「探せ=宝を取りにいく」ことと教えます(「スワレ」「マテ」ができない場合、「ハウス」を代用してもかまいません)
- クッションや犬用ベッドなどを愛犬から少しは離れたところに置きます。「スワレ」「マテ」をかけ、愛犬に見せながら犬用ベッドの端の下に「宝」を隠します。
- コマンドをかけ、「宝」を取りに行かせます。4と5を数回繰り返しますが、隠す場所は必ず同じ所にしてください。
- 次は隠す場所は同じですが、愛犬に背中を向け、隠すところが愛犬に見えないようにします(ハウスを使う場合は布をかけて目隠しするのもいいでしょう)。6を数回繰り返します。1~6までの練習で、愛犬は目と記憶で「宝」を探しています。
- 次に、隠すところは見せないまま隠す場所もちょっとだけずらします。愛犬はいつもと同じ場所に「宝」がないため一瞬戸惑うでしょう。しかしすぐに頭を切り替え、いつも隠してあった場所とその周囲のにおいをかぎ出し、「宝」がちょっと横にあることに気づきます。ここから少しづつ「宝」を探すためには鼻を使う必要があることを愛犬に教えていきます。
- 最初に隠していた場所から左、右、奥、手前と、隠す場所をランダムに変え、犬に鼻を使わせましょう。隠す場所は少しづつずらしていくことが肝心です。一気に遠くに隠してしまうと「宝」がないと思い諦めてしまいます。教えていく初期段階は諦めさせないために、少し頑張れば見つけられるところに宝を隠すようにしましょう。
- 鼻をクンクンさせて探すようになってきたら隠す範囲を少しづつ広げていきます。ソファーの周り、テーブルの隅、クロスマットの下などご家庭の生活環境を上手に使いオリジナルの宝探しゾーンでトレーニングをしていきましょう。隠す「宝」もフード、オヤツ(3種類ぐらいをランダム)、コングに入れたおやつなどいくつか用意しておき、日によってランダムに変えていくと愛犬の「かぎ探したい」意欲を盛り上げ、より効果的です。
次回は、10時間目「何かしながらトレーニング(ながらトレ)」をお送りします。