《最近トレーニングを担当した若齢小型犬の飼い主の悩み》
・散歩で歩かない
・夜ひとりで寝れない
・ドッグフードだけだと食べない
・人の食事中に要求鳴きをする
可愛い声で鳴かれるとついつい要求を聞いてしまい、いつの間にか犬に振り回されている。
飼い主が犬の要求(甘え)に応えてしまうことが原因で、犬の悩み行動をつくっていることが多くあります。
歩く・食べる・寝るは、犬の生活の基本。
今回は、「食べること」がしつけにつながるお話しです。
「食べない」ことで通る犬の要求
「歩けない」のではなく「歩かない」
「ひとりで寝れない」のではなく「ひとりで寝ない」
「食べれない」のではなく「食べない」
フードだけだと頑として食べないのに、オヤツはペロリと食べるので、食欲はある。
フードを食べさせるために、ふりかけやオヤツを混ぜたり、別のものに変えてみたり、あの手この手で食べない犬とイタチごっこ。
犬が食べる食べないに一喜一憂し、そんな毎日に家族は疲れてくる。
オヤツがベースになれば、健康上良くないだけでなく、ごはんの度に犬が美味しいものを出せと「要求」することになる。
「食べない」ことで「要求」が通ることを覚え、他の行動にも影響を与えはじめることになります。
犬の食育(食事教育)って?
『出されたものを食べる』
必要であれば、私は家族に説明し、食事教育をします。
食育のルールは簡単です。
1. ドッグフード規定量あげます。
2. 食べなければ美味しいものが出ると知っている犬は食べません。
3. 食べなければ、時間を決め下げます。
4. 次のごはんまで、間食はなし。
5. ごはんの時間がきたら、1回分の量をあげる。
6. また食べなければ、時間を決め下げる。
これを繰り返します。
とてもシンプルで簡単そうですが、食べない仔は平気で1~2日食べません。
これを見守ることは、思っている以上に家族が辛いようです。
だから断念してしまうことが多く、今までと同じ食べさせ方を繰り返ししまうのです。
でも、ここが正念場!
途中で諦めれば、犬は「やっぱり食べなければ、最後は美味しいものが出てくるんだな」と学び、食べない行動が強化され、さらに大変になります。
潤んだ目で見上げられても、キュンキュン鳴かれても心を鬼にして食育をやり通すことが家族に求められます。
私も家族まかせではなく、細かく状況を確認し、家族の気持ちのサポートをしながら、乗り越える時を一緒に頑張ります。
この小型犬は、2日と半日目に食べ始めました。
一気に完食したそうです。
その後、残すこともありますが、フードを出されればすぐに食べ始める。
そして「要求する時間」だったごはんの時が、準備が始まると「喜ぶ時間」に変わりました。
犬の食育から生まれる家族の変化
犬の食育(食事教育)が軌道に乗ると家族にも変化が現れます。
人の食事中、犬の鳴かれると食べ物をあげてしまってたのが、要求鳴きに負けず、あげないことを続けられるように!
その結果、「要求を諦めさせる」ことができ、食事中の要求鳴きがなくなりました。
「要求が通らないこともある」と犬が学ぶことは、いい意味で「諦める」がひとつふたつと身についていくための引き出しになります。
その後、犬の行動変化が、家族の気持ちの変化に繋がり、他の課題の解決につながっていきました。
「歩かない」「ひとりで寝ない」もトレーニングを行い、歩くようになり、ひとりで寝るようになりました。
犬に、美味しいものをあげてはいけないないわけではありません。
愛犬にとっての10年先を考える。
健康のため、そして、万が一震災が起きフードしかないときでも食べれるように。。。
「どうすることが犬にとっていいのか?」
そのことを飼い主さんに考えてもらうためにも、犬の食育はいいきっかけになるのではないでしょうか。
【 犬の食育を考えた時に留意すること 】
ドッグフードでなければいけないというわけではありません。
アレルギーから手作り食でないといけない犬、病気から療法食が必要な犬もいます。
また食育は、すべての犬に今すぐ必要なものではありません。
食育を始めたいと考えたときは、病気や体調不良がないか、必要であれば獣医に確認をしてからトレーナー指導の元で行