夏の焼けるような暑さも和らぎ、空も高くなり、朝晩が過ごしやすくなってきました。
季節の変わり目は、体調を崩しやすい時期でもあります。
ワンコも飼い主さんも消化のいいご飯で夏の疲れを癒してあげて下さいね。
私が受ける犬の薬膳相談で一番多いは、「壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)」と「てんかん」そして「がん(悪性腫瘍)」についてです。
そこで、今月と来月のゆるっとワンコ薬膳のススメでは、これらの3つの疾患について、東洋医学から見た身体の状態と薬膳ケアでできることをご紹介していきます。
まず、今月は「壊死性髄膜脳炎(パグ脳炎)」と「てんかん」についてです。
「病気は治らなくても、お付き合いする方法があるよ。」
「壊死性髄膜脳炎」ってどんな疾患?
通称「パグ脳炎」と呼ばれる「壊死性髄膜脳炎」は、パグに多く認められる疾患ですが、他の犬種も発症することのある病気です。
大脳と髄膜の壊死性炎症に起因した病気で、発作等の神経症状がおこります。
何らかのきっかけで脳の壊死が始まり、数日から数年とひらきはありますが、死に至る病です。
治療は、薬で進行を遅らせるしかなく、完治はしません。
ワンコ薬膳のアシスタントとして、何度も登場してもらっていた我が家の先代の「小珠」がこの病気でした。
「小珠」2019年の8月に虹の橋を渡りました。
身体の変化がけいれん発作のサイン
東洋医学的に見ると、脳炎もてんかんも発作がでるときの身体の変化やケアの方法に同じところがあります。
まず、脳炎やてんかんなどのけいれん発作が起こりやすいワンコの身体から出ているサインについて、
頭・脇・肩甲骨周りが熱く、熱を持っていることが多い
「このままだと発作になりますよ」のサインでもあります。
やたらと水を飲んだり、石や砂利などの異物を食べたがることもあります
これは、熱がコントロールできず、体のあちこちに飛び火するように熱くなり(主に胃と肝)とても落ち着かない状態になっていることで、その熱を冷まそうとしている行動です。
けいれんは、熱が出口を求めて上へ上へと頭に向かって昇っていき、頭部に集まった熱が発散するために起きる反応が、脳炎やてんかんの「発作」だと言われています。
お薬が必要な場合は、きちんと飲ませてあげてください。
それに合わせて、普段から飼い主さんができる東洋医学のケアがあります。
では、次に具体的なケア方法についてお話していきます。