春はエネルギーが上へ上へと昇って足腰への気の巡りが悪くなりがちです。
今回は、春のケアもしつつ、足腰強化のご飯レシピです。
** ワンコ薬膳レシピ紹介 **
「シニアワンコの春の足腰ケア! 牛肉と山芋とピーマンのご飯」
〈 材料 〉1食分
牛肉…75g
炊いたご飯…50g
山芋…13g
ピーマン13g
ニンジン…12g
大根…12g
クコの実…2粒(大型犬でも最大4粒程度まで)
※分量は全て10kgの成犬を基準にしています。
手作りご飯の分量の目安は「手作りご飯の換算指数表」を参考に、その日の体調や様子で調整してください。
※写真は具材が分かりやすい様に大きめに切ってあります。実際に与える時は細かく切るか、ハンドブレンダーなどでトロトロにしてあげると消化にかかる負担を減らす事が出来ます。
※クコの実はパワフルな食材です。最大でも4粒程度までにしておいてください。
〈 下準備 〉
・山芋、ニンジン、大根は皮を剥く。
山芋は皮があると効能が高いですが、今回はシニアワンコをテーマにしていますので消化を考えて皮は取り除きました。
・具材は全て「うちの子が食べやすいサイズ」に切り分けておく。
〈 手順 1 〉
お鍋に山芋、ニンジン、大根、クコの実を入れ、具材がしっかり泳ぐくらいのお水を入れて火にかけます。
〈 手順 2 〉
〈手順1〉に火が通ったら牛肉を入れ、更に加熱します。
〈 手順 3 〉
牛肉に火が通ったらピーマンとご飯を入れ、一煮立ちさせます。
〈 手順 4 〉
火を止め、冷まして盛り付けたら出来上がり。
薬膳豆知識 食材の効能をご紹介
「 牛肉 」
タンパク質やミネラルを豊富に含み、体の機能を多角的に高めて体力を回復して抵抗力をアップさせてくれます。
血の巡りを改善して筋力をつけて足腰を丈夫にする効果もあります。
「ご飯(白米)」
活動のエネルギー源となる炭水化物を豊富に含み、元気を与えてくれる食材です。
胃腸を丈夫にし、消化吸収機能を回復させるほかにもイライラや不眠を和らげる作用もあると言われています。
ワンコは玄米の消化は苦手ですので白米で。
「 山芋 」
漢方では「山薬(さんやく)」とも呼ばれ、消化器系、肺、腎の機能を高める慈養強壮薬として使われる食材です。
消化吸収を助ける他にも体を潤したり、肺や胃腸を丈夫にしたり、アンチエイジング効果もあります。
牛肉とクコとは相性が良く、お互いの効能を高め合います。
「 ピーマン 」
ビタミンやミネラルが豊富で、血液の流れを良くしたり肌トラブルの予防や解消に有効です。
春の気の滞りを流すのに適していますので、今回使用しました。
気が滞ると皮膚や筋肉も固くなりますので、食材やマッサージで流してあげるのがおススメです。
加熱し過ぎると効能がとんでしまうのでサッと火を通す程度で調理してください。
「 ニンジン 」
「食べる目薬」と言われるくらい目に良い食材です。
疲れ目やドライアイ、夜盲症や視力低下の予防も期待できます。
血を養い、免疫力を高め、アンチエイジング効果も期待できます。
「 大根 」
ワンコ薬膳では優秀なレギュラー選手です。
この時期はちょっと逆上せやすくなったり、まだ空気も乾燥しているので疲れやすいシニアワンコの呼吸関係を潤したり余分な熱をとって助けてくれます。
お腹の腹や浮腫みにもおすすめです。
「 クコの実 」
古くから不老長寿、慈養強壮の薬として重宝されてきました。
薬膳では肝と腎の機能を高め、視力を回復させたり老化を遅らせると言われています。
パワフルな食材ですので体重に関わらず1〜4粒程度にしてください。
【 ワンコの手作りごはんの換算指数表 】
愛犬にあったご飯の分量の計算式です。
(ご紹介しているレシピは、換算率1(成犬維持期)の体重10kgで計算した分量です。
例 )
3歳体重10kgのワンコの場合
「ライフステージ別換算指数」=1
「体重別換算指数」=1
・炊いた米の計算式
50×1(ライフステージ別換算指数)×1(体重別換算指数)=50g
・お肉やお魚の計算式
75×1(ライフステージ別換算指数)×1(体重別換算指数)=75g
・野菜の計算式
50×1(ライフステージ別換算指数)×1(体重別換算指数)=50g
「ライフステージ別換算指数」
成長期 (生後3〜6ヶ月) 換算率「 2 」
成長期後期(生後6〜12ヶ月) 換算率「 1.5 」
成犬維持期(生後1〜7年) 換算率「 1 」
高齢期 (生後7年目以降) 換算率「 0.8 」
「体重別換算指数」
1 kg: 0.18 2kg: 0.30 3kg: 0.41 4kg: 0.50 5kg: 0.59
6 kg: 0.68 7kg: 0.77 8kg: 0.85 9kg: 0.92 10kg: 1.00
11kg: 1.07 12kg:1.15 13kg:1.22 14kg:1.29 15kg:1.36
16kg: 1.42 17kg:1.49 18kg: 1.55 19kg:1.62 20kg:1.68
21kg: 1.74 22kg:1.81 23kg: 1.87 24kg:1.93 25kg:1.99
26kg: 2.05 27kg:2.11 28kg: 2.16 29kg:2.22 30kg: 2.28
31kg: 2.34 32kg: 2.39 33kg: 2.45 34kg:2.50 35kg: 2.56
36kg: 2.61 37kg: 2.67 38kg: 2.72 39kg:2.77 40kg: 2.83
今回のお話のきっかけとなった出来事があります。
高齢で同じ場所をグルグルと回ったり、突然叫んだり…病院では正式な診断ではないですが「もう高齢だから認知症なのでは」と言われた飼い主さんからのご相談がありました。
「私も家族もこの子も辛い。しんどい。何とかならないか」と言われ、実際にお伺いしてワンコの様子や体を見ることが出来ました。
18歳という年齢もありますが、筋肉がかなり強張り、首が曲がっていたのでもしかして痛みがあるのでは?とホットタオルとマッサージをご提案させて頂き、食べやすい、消化しやすいレシピも作成させていただきました。
すると筋肉の強張りが軽減し、ぐっすり眠れる様になったそうです。
もちろん劇的に改善するわけではありませんが、ご家族もワンコもかなり楽になりましたとご報告を頂きました。
ウロウロしてしまうのも夜泣きや突然の叫びはもちろん認知症の症状でもあります。
しかし、もしかして苦痛や痛みを訴えている事もあるのではないかと考え、この記事を書かせていただきました。
ご紹介したケアで治るというわけではありませんし、全てそうだという事では無いのですが「あーあ、高齢だし認知症か…」とワンコとご家族のお互いの辛さが少しでも楽になって頂けたら幸いです。
「家族皆んなが笑顔で過ごせます様に」