愛犬とのお出かけは飼い主さんにとっても楽しみの一つ。ドッグカフェや公園、犬と泊まれるペンションやホテルも年々、増えています。ですが公共の場では人間だけでなく犬にもマナーが必要です。愛犬と一緒にカフェで食事をしたいけど、人間の食事欲しさにテーブルに脚を掛ける、ソファーに乗る、他の犬が来ると吠えるなどの理由から愛犬との楽しむ機会を我慢している飼い主さんも多くいるでしょう。
ながらトレーニングはお茶をしながら、本を読みながら、テレビを見ながら・・・ 「何かをしながらできるトレーニング」です。これはそのまま、ドッグカフェや公園のベンチなど公共の場所で大人しく飼い主さんを待っているという実践にも役立ちます。ながらトレーニングをマスターし、ぜひ愛犬と一緒に楽しめる機会を増やしましょう。
用意する道具
- 首輪とリード。ただし首輪は締め付けられるようなチョークタイプの首輪は使わない。
- 普通の固定型首輪のみ使用してください。
- 愛犬に首輪(首輪の締め具合は指2本半ぐらい。緩すぎると練習中に首から抜けてしまうことがあるので注意)とリードを付け、リード中央付近を足で踏み、愛犬の動ける範囲を制限します。
注)犬の首輪に強く圧力がかかるほどリードの短い部分を踏む必要はありません。教える段階の犬に対して、強く圧力をかけすぎると何が起こったのかわからずパニックを起こす犬もいます。絶対にやめましょう。首に強い圧力をかけるのではなく、犬の行動範囲を制限するだけです。
- 自由に動ける範囲を制限された愛犬は最初のうちは戸惑う様子を見せますが、リードを踏んでいる足は絶対に離さないで固定してください。犬によっては右に行ったり左に行ったり、後ろに引いて首輪を抜こうと試みたりしますが、この間飼い主さんは愛犬に対して一切かまったり、声をかけたり、触ったりしてはいけません。
- そのうち行動範囲を制限されることに愛犬が慣れてきます。「今は自由には動けないんだ」と認識して動きが少なくなり、落ち着いてきます。
- 愛犬がその場に座り、そのあとに伏せたら優しく褒め言葉をかけてあげましょう。
褒め方については2時間目「マテ」の項目、「褒め上手が教え上手」を参考にしてください。 - 愛犬のタイプや持っているエネルギーによっては4の状態になったあとも2の状態に戻ったり、また3、4になったりと何度か繰り返す場合もあるますが、一貫して飼い主さんは態度を変えず、リードを踏む足だけはしっかりと固定しておきましょう。
- トレーニング終了のタイミングは愛犬が飼い主さんにとって都合のいい状態でいるかどうか、です。飼い主さんにとって都合がいいのは愛犬が静かに伏せていること。都合の悪いのは右に左に動いていることです。愛犬が静かに伏せているならばいつ、ながらトレーニングから解放してあげてもかまいません。解放する時はリードを踏んでいる足を外し、「いいよ」「オッケィ」などの言葉とともに飼い主さんも一歩動き出すと愛犬に伝わりやすい解放の合図になるでしょう。手で背中をポンポンと軽く叩いてあげるのもいいでしょう。
- 最初は短い時間からトレーニングし、できるようになってきたらトレーニング時間を長くしていきましょう。
WAN!ポイント
- 言葉ではなく態度で伝える
- 犬が動くたびにコマンド「フセ」で制御しようとしたり、叱るのはよくありません。犬によっては動けば飼い主さんの気を引くことができると勘違いして学習し、かまってもらいたくなるとわざと動き出す子もいます。それだといつのまにか犬のペースで接していることになってしまい、本来の目的から外れてしまいます。どの状態からでも愛犬が動き出した時、飼い主さんが取るべき行動は慌てず騒がずリードを踏んでいる足だけを固定し、外さない。これだけを気にするようにしましょう。
- 何かしながらやりましょう。
- 練習を重ね、できるようになってきたら、日常生活の中にどんどん取り入れていきましょう。このトレーニングは名前の通り、本を読みながら、テレビを見ながら、お茶を飲みながらなど、何か他のことのついでにできるトレーニングです。「さぁ、トレーニングやるぞ!」ではなく、今から読みたい本があるから、好きなテレビ番組が始まるから、お客さんが来た時にお茶しながら、などいつでも気軽にできること、その1回1回が愛犬にとっていいトレーニングになります。自宅でできるようになってきたら、公園のベンチで、そしてステップアップでドッグカフェでの一緒にランチに挑戦。ゴールを決めて取り組めばトレーニングも楽しめます。ドッグカフェで飼い主さんの足元に静かに伏せて待っている犬は周りから見ても素敵に見えます。公共のマナーを守りながら、一緒の時間を楽しめる飼い主さんと愛犬を目指しましょう。