犬と暮らす女性のために
第4回 ペットロス
岸本 芭瑠美 メディカルアロマテラピスト・講師
住まいの変化がストレスに |
もともとは兼業主婦で働いていました。共働きの夫婦で、ごくふつうの飼い主でした。
その後離婚することになり、結婚生活中に飼っていた犬2頭のうち1頭を連れてきました。このときは大きな家に住んでいたので、犬はストレスなく暮らしていました。
しかし、離婚後はワンルームの木造アパートに引っ越すことになり、犬にストレスがかかってしまいました。周囲の物音が聞こえたり、人の気配がしたり・・・。そういった小さなことが犬は気になるんですよね。
当時は、自分が住む家を決めるので精一杯で、連れていく犬の家まで考えていませんでした。
「ペットOK」だけが、すまいを選ぶ基準ではないんです。犬にとって、人にとって、住みやすい環境でないと・・・。犬の調子が悪くなっていくのがわかり、このままでは病気になってしまうかもしれないと、もとの家に戻すことにしたんです。
生別のペットロス |
その後、私が「生別のペットロス」になってしまいました。
当時は、ペットロス協会もない頃です。自分自身がペットロスにかかっていることに気づいていませんでした。
もし、気づいていたら、軽く済んでいたのにと思います。このことに気づくのに時間がかかりました。
自律神経がおかしくなり、駅のホームを歩いていても、自分からふらふらと電車のほうに吸い寄せられてしまうんです。
今になって思えば、ああいうのは「死のう」と思っているからというよりも、体が電車のほうに行ってしまったときに、自分でそれを止められないような状態なのかなと思います。
立ち直れたのは、聞き上手の今の主人のおかげです。泣いたり怒ったりしながら、吐き出してもじっくり聞いてくれる。黙って聞いてくれる。自然にカウンセリングになっていたんですね。
あの頃の私は、「エンプティ」(「からっぽ」の意味)という言葉にとらわれすぎていたように思います。
新しい住まい |
ペットにとっては、環境が重要です。
その後、ペットOKで、木造ではない鉄筋コンクリート造のアパートに移りました。
外部の音を遮断でき、室内に入ってこない部屋です。このような部屋なら、犬も落ち着いて暮らすことができます。
この部屋を借りてから、前夫の家から1頭の犬を連れてきました。
この子は、飛び出してきて私を迎えてくれました。新しい主人も、抵抗なく受け入れてくれたんです。
離れていても、私をおぼえていてくれたんです。もう1頭は、前夫の家に今もいますが幸せにくらしています。
Copyright © GORON by ペット共生アドバンスネット All rights reserved.