しつけ・ケア

お悩みグセ解消エクササイズ 9時間目 電話に吠える

お悩みグセ解消エクササイズ

9時間目「電話に吠える」

里見 潤 (ドッグコーチ)


電話音が鳴り始めたら、会話が終わるまで吠え続ける・・・
 
犬は、電話音から始まる人の声という「刺激」に興奮
→ 吠え出すきっかけになり
→ それが習慣化する
→ 与えられた仕事のように電話音が鳴る度に吠え続けるようになる
 
犬に悪気は無くとも、会話が聞き取りづらい程吠え続けるのを放っておくのはいいことではありません。
犬に「電話=吠える」に変わる別の仕事を用意し、「吠える」ではなく、愛犬が楽しく、飼い主に優しい仕事を犬自ら望み、率先してやるように教えていきましょう。

◎準備トレーニング
愛犬が「好きなこと」を見つけ、その「好き」を更に強化する

(今回は、「食べる」ことをメインにトレーニング方法を考えます)

【 ステップ1 】
ドッグフードを詰め、転がしたり、齧ったりすると中のフードが出てくるようなゴム製の円盤形オモチャ(ビジーバディ)を用意します。

【 ステップ2 】
最初は軽く転がしただけで、詰めたフードが出てくるぐらいの締め口具合にして与え、ゴム製オモチャに興味を持たせます。

触って転がせばフードが出てくる ⇒ ゴム製オモチャをもっと転がしたい!

 

【 ステップ3 】
数回繰り返し、ゴム製オモチャを見せると喜ぶ、興奮する反応を見せるようになったら、締め口を狭めて、食べるまで時間が掛かるようにステップをあげます。

【 ステップ4 】
フード入りのタッパーを用意します。タッパーを振りフードが入っている音を鳴らした後、タッパーからフードを一粒取り出し、愛犬にあげましょう。

タッパーを振る音の後にフード ⇒ タッパー音が鳴ったら、そっちに注目しよう!
タッパーを持っただけ喜ぶ、興奮する反応を見せるまでこれを繰り返しておきます。
期待する気持ちを持たせておくことが実践トレーニングに繋がります。

◎実践トレーニング

*協力者が必要です。電話を掛けてもらいましょう
練習では、いつ・何回掛けるかを具体的に決めておきます。
 
*フード入りのタッパーとフード入りゴム製オモチャを用意します
犬の優れた聴力を逆手に利用します。
電話音と同時に、手に持ったタッパーを振り(逆手利用1)、電話音ではなく、好きなフードがもらえる音に興味、注意を向けます。
タッパーからフードを一握り取り出し、音が鳴るように(逆手利用2)床に撒きます。

食べ終わるタイミングでさらにフードを一粒づつ床に音が鳴るように落とし、それを連続して行い、電話音に吠えるよりもフードを食べることに夢中にさせましょう。
 
     コール音が鳴る ⇒ 吠えるぞ! を
     コール音が鳴る ⇒ フードがもらえる!に犬の気持ちを変えていく
 
電話音に吠えなければ電話に出て、会話をしながら一粒づつフードを落とします。

電話音が鳴った時に吠えるよりも飼い主が落とすフードを期待して、見上げる行動が見えるようになったら次のステップへ!
電話音が鳴ったら、フードをひと握り床に撒きます。
愛犬が食べ終わったタイミングでゴム製オモチャを見せ→与えます。

電話音に吠えることが仕事ではなく、ゴム製オモチャからフードを取り出すことが仕事になり、夢中になっていけばしめたものです。
電話で簡単な会話をし、食べ終わる前に電話を切るようにします。
繰り返し練習をして、犬の身体に覚えさせましょう。

*実際の電話シチュエーションに近づけていきます

電話音がしたら
     ひと呼吸置いてからタッパーを鳴らす
     最初からゴム製オモチャを与える
     フード、ゴム製オモチャを与えるまで時間を伸ばしていく
など、少しづつステップを上げていきます。
もし、ステップを上げた段階で吠える行動が出てしまう場合は、必ず一つ前のステップに戻って復習を繰り返してから、再度ステップを上げてみましょう。

*別の家族でも練習をして、人が変わってもできるようにする。

実際の電話が鳴ったとき、すぐにタッパーやゴム製オモチャに手が届かない状況が多くあります。
飼い主が慌てずに対応できるよう、練習中は部屋の何カ所かにフード入りタッパーを用意して置くと慌てずに対応しやすいでしょう。

 

WAN!ポイント

 

*準備で、ゴム製オモチャからフードを出にくくする時、愛犬が諦める様子が出たら一つレベルを下げて、確実に出し切るようなってから再度ステップをあげましょう。
*ゴム製オモチャの好き度を十分にあげてから実践練習に入ると、よりスムーズに進められやすいでしょう。
*行動を変えていく為には、反復練習、絶対的な練習回数が必要です。吠えない行動が安定するまで、1日に掛かってくる電話回数の3倍は練習しないと行動を変えることは難しいでしょう。
*フードは1日のご飯量から使うようにし、体重管理をしながらトレーニングしましょう。

 

2016年2月26日掲載

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里見 潤

里見 潤

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(さとみ じゅん)

ドッグコーチ

1975年、横浜市生まれ。2004年、警察犬訓練校に入学、出張トレーニング会社を経て、保護活動団体「Dog shelter」の専属スタッフとして、保護犬のトレーニング、一時預かり家庭と里親家庭の間に入り、アフターフォローを担当する。
2012年7月より独立。出張、及び預託トレーニングを柱に活動する傍ら、保護犬の一時預かりを継続中。
 
日本警察犬協会公認訓練士
ジャパンケネルクラブ公認訓練士
東京都動物愛護推進員

 保護犬預かりを主に、トレーニングのことを書いている里見潤さんのブログ
 「イヌと歩けば。」http://setahachidog.blog.fc2.com

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