お悩みグセ解消エクササイズ
8時間目「人に飛びつく」
里見 潤 (ドッグコーチ)
嬉しくて、楽しくて、飛びつく
犬にとっては、愛情表現や遊戯行動のひとつである「飛びつき」ですが、好きにやらせて放っておくことは時にとても危険です。
犬に悪気がなくても、飛びついた相手が小さい子供や高齢者の場合、転んで怪我をしたり、人によっては犬が怖くなってしまうこともあります。
「飛びつかない・挨拶ができる」しつけと、コマンドが出たときだけ飛びつかせるトレーニングの両方を教えて、区別が付けられるようにしてあげることが、理想的な解決法です。
「飛びつき」の多くは、嬉しくて、楽しくて、興奮する結果として発生する行動です。
犬の目的は、「飛びつく」ことではなく「触れ合う・挨拶する」ことです。
犬の気持ちをうまく利用して『飛びつかないでいる方が触れ合えた』という経験を数多く積んでいくことで「飛びつかない挨拶」を教えていきましょう。
【 ステップ1 】
犬は目の前にサッと出された物に興味を持ち、匂いを嗅ぎます。
飛びついてくる前に手のひらを鼻先に出し、軽く受け止めます。
【 ステップ2 】
4本脚が地面に着いてる状態で、もう一方の手で犬の身体に触れ、優しく撫でながら誉める。
反復練習をして、飛びつかないで挨拶することを習慣にしましょう。
※小型犬の場合
膝を付いて構え、同じようにします。
ただし、しゃがみ目線が近くなることで、飛びつきたい気持ちを誘発しやすい犬もいます。その場合は中腰で構えましょう。
写真 3-1 写真 3-2
※活発な大型犬の場合
首輪に親指もしくは4本指を入れて飛びつきにくいよう抑え固定しながら行うと教えやすい。
写真 4-1 写真 4-2
無言で身を半身にし、飛びつきを空振りさせましょう。
飛びついたら、挨拶できない・撫でてもらえないことと、どうしたら 撫でてもらえるのか・挨拶してもらえるのかを教えましょう。
写真 5-1 写真 5-2
※間違った対応:
飛びついてきたのを受け止めたり、声で止めさせたり、手でどかしたりはしない。
【 ステップ1 】
コマンドでの「スワレ」をしっかりと教える。
※コマンドトレーニング「スワレ」参照
【 ステップ2 】
座っている静止の姿勢から、両手で胸を軽くポンと叩きます。
軽やかな、高いトーンで楽しそうに掛け声を一緒に言うと飛びつき たい気持ちを促しやすいでしょう。
【 ステップ3 】
飛びついた犬をしっかり受け止め、撫でる・誉める。
家族皆でルールを徹底しないと犬は混乱したり、使い分けるようになります。
「ママはちゃんとやっているけどパパは気にせず飛びつかせている」では改善できません。
可能であれば、犬が好きなご友人に手伝ってもらい、家族ではない人にも飛びついてはいけないことを教えていくとさらによいでしょう。
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