しつけ・ケア

イヌに教え、教えられ 第22回 手段を選ぶとき優先するものとは

イヌに教え、教えられ

第22回

手段を選ぶとき優先するものとは


自宅で預かっていた保護犬シェットランドシープドッグの「シェリ」に、里親を希望する家族が現れた。
 
シェリは、人が好きで穏やかな犬ですが、要求吠えとトイレトレーニングが引き続き必要なため、私がトライアルをはじめる家族とシェリをフォローすることになった。
 
トライアル初日、家族にトイレトレーニングのやり方を伝えた。
すると、シェリは、初オシッコ成功し皆で喜び、シェリ誉めた。
そして、シェリが夜泣きせず寝てくれるか気になるパパとママにハウストレーニングを伝えた。
すると、パパとママいうことをよく聞き、その夜、全く吠えず過ごしたシェリ。
ママから「すごいいい仔。本当に吠えるの?」と聞かれた私は「ちゃんと吠えるようになるから心配しなくていいですよ」と笑う。
心配されていたトイレと夜泣きは、その後も問題なく順調にトライアルをスタートした家族とシェリでした。
 
そして1週間後、、、シェリが吠え始めた。
 
食事や散歩を催促して吠えるシェリ。
要求吠えは、静かになるまで無視するのが一般的なしつけ方法です。
しかし、シェリの声は大きく、吠え出すと長いため、近所の迷惑が気になり無視し続けることは難しい。犬が諦める前に家族が折れれば、悪化する。
私は、別のしつけ方法を提案した。
吠え始める前にフードを1粒あげて、気を逸らす方法です。
パパにレクチャーして実践してもらうとフードを1粒貰えたシェリはまんざらでもないようで、吠えずに待つことができた。
 
数日後、再び連絡をすると明るいママの声・・家族とシェリはしっかりと軌道に乗ったのだと感じました。
 
しつけの方法は、僕ができても、犬に合っていても、犬と共に暮らす家族が続けられなければ意味がない。住環境によって、しつけ方法の向き不向きもある。しつけ方法を選ばなくてはならないとき「犬と家族と環境」僕は家族を優先する。家族あっての犬だから。家族が続けられれば犬も自然と変わっていく。
 
フォロー最終日。大きな問題は無く、家族もシェリも穏やかに見える。
楽しそうに散歩をするパパとシェリの後ろ姿を見ながら、あるべきご縁だったんだと思ったのです。

 


 

2015年9月25日掲載

 

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第21回 得か、損かで考える

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第23回 動物が教えてくれること

里見 潤

里見 潤

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(さとみ じゅん)

ドッグコーチ

1975年、横浜市生まれ。2004年、警察犬訓練校に入学、出張トレーニング会社を経て、保護活動団体「Dog shelter」の専属スタッフとして、保護犬のトレーニング、一時預かり家庭と里親家庭の間に入り、アフターフォローを担当する。
2012年7月より独立。出張、及び預託トレーニングを柱に活動する傍ら、保護犬の一時預かりを継続中。
 
日本警察犬協会公認訓練士
ジャパンケネルクラブ公認訓練士
東京都動物愛護推進員

 保護犬預かりを主に、トレーニングのことを書いている里見潤さんのブログ
 「イヌと歩けば。」http://setahachidog.blog.fc2.com

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