「パパが帰ってきた!」
「ご飯の時間だ!散歩の時間だ!」
「おもちゃで遊びたい!ボールで遊びたい!」
「誰か来た!(嬉しくて興奮して)」
犬が飛びつく原因の多くは、嬉しさや楽しさからの興奮で、犬にとって、とてもポジティブな理由です。
しかし、大型犬が勢い良く飛びつけば、子供や女性、高齢者の転倒事故にもつながり、怪我をさせてしまうこともあります。
犬の大きさによっては、飛びつき行動が飼い主さんの悩みになります。
「飛びつき」のきっかけが犬にあっても、その行動を強化(たくさんする)しているのは、多くの場合、飼い主の行動です。
犬は、飼い主の反応(行動)をとてもよく観ています。
・「きゃー」「やめてー」と甲高い声で嫌がる
犬は、高い声に興奮しやすい
・「危ない!」「ダメ!」と嫌がる、または叱る
犬には、構ってもらった・じゃれてる位にしか伝わらないことが多い。
ほとんどの場合、犬は、じゃれて楽しくなっています。
犬によっては、「構ってくれた」と感じ、ご褒美になることもあります。
・言葉を掛けながら手で払いのける
じゃれて遊んでいると勘違いする犬もいます。
このように、飼い主が犬の飛びつく行動を「癖」にしていることが多くあります。
では、改善していくにはどうすればいいのでしょうか?
一緒に考えてみましょう。
【 「嬉しい」「楽しい」状態で興奮して飛びついている場合 】
「叱る・怒る」「驚かせる」やり方は必要ありません。
どうしたら犬にとっての目的(撫でてもらえる、散歩に行ける、遊んでもらえる、ご飯が食べられる)を達成できるか、犬に正解の行動を教えてあげれば改善していきます。
犬は、「自分に得だと分かった行動が増え」「損だと分かった行動が減る」生き物です。
改善するためには、飛びつくことが「損」であり、飛びつかない方が「得」だと犬が分かるように伝えていくのがいいでしょう。
《 対処方法 》
飛ぶついてきた時、犬の両前脚が空を切るように、くるっと体をひねり空振りをさせます。(手で押しのけるのはNG)
1度や2度では、犬もわからず、かわせば余計に飛びつこうとするでしょう。
それでもかわし続けます。
すると犬の中で「おやっ?」と疑問が生まれ、飛びつきを躊躇し、「?」に犬がなっているタイミングを逃さず、ゆっくりと撫でて褒めます。
撫でてもらえることをご褒美として、
・飛びついても何も反応が返ってこない「損」
・飛びつかない方が撫でてもらえる「得」
であることを教えていきます。
また、飛びつきやすい状況だけで練習するのではなく、普段から「犬が落ちついて何もしていない時」にこそ、「声をかけ」「撫で」「褒める」ことを習慣にすることがとても大事です。
そして、これを日常から徹底すること。
「例外」や「1度くらい、いいか」は、通用しません。
『飛びついてきたら、一切構わない』『飛びついていないときにこそ、撫でる』
続けていけば、「飛びつく」よりも「待つ」ことが、確実に増えてきます。
ただこれは「犬が1週間できたら終わり」ではありません。
犬ができるようになってからも、家族みんなでずっと続けていくこと必要です。
実は、飼い主にとって、これが最も難しいこと。
犬ができるようになったことに満足して、今まで意識してきたことやらずに犬を放っておいてしまう・・・犬に染みつけた「癖」がすぐ戻ります。
犬にとって、飛びつく行為は、愛情表現のひとつであり、飛びつかないようにしたいのは、人間の都合です。
「あなた(犬)にとって、飛びつかない方が、より嬉しく状況になれる」
そんな風に伝えながら、犬に飛びつかないあいさつの仕方を教えてあげられるといいですね。