しつけ・ケア

ゆるっとワンコ薬膳のススメ 〜東洋医学を使ってシニアケア「老犬のてんかん」〜

桜の花も終わり、そろそろ春の陽気の上昇が落ち着いてきました。
季節の変わり目の体調変化も和らいで来た頃かと思います。

人の場合、環境の変化があった方は気持ちが陽気の影響で上昇→ストンと落ち着くという状態についていけず、疲れたような感覚になる事があります。
(いわゆる五月病)
エネルギーをしっかり補給して、よく眠って心身共に回復させてあげて下さいね。


さて、今回はタイトルにもある通り「老犬のてんかん」です。
ワンコ薬膳相談の方にも「歳をとってからてんかんになってしまった」
「急に痙攣するようになった」というご相談もあります。

「ケアが足りなかったのかも」と悔やむ飼い主さんもおられますが、それは違います。
今回のお話が少しでもお役に立てれば幸いです。

「僕も頭がアチチになるから気を付けなきゃ!」

「てんかん」って何?

これまでのワンコ薬膳で、何脳炎やてんかんなどの痙攣の発作について何度かお話させて頂きました。

西洋医学では、

てんかんとは、脳の神経細胞が過剰に興奮した事で起こる脳の疾患です。
通常、脳の神経細胞は興奮を伝える細胞と押さえる細胞がバランスを取り合って様々な情報を伝達しています。
しかし、なにかの拍子にバランスが崩れると過剰に放電を起こし、痙攣を伴う発作を引き起こします。

東洋医学では、

「肝」という場所の働きが悪くなり、熱を含むエネルギーの流れが悪くなってしまいます。
熱は上昇する性質がありますので、体内に籠った熱が上へ上へと頭の方に集まった事で痙攣といった形で発作となります。

原因は様々で、先天性のもの、心身のバランス、病気と多種多様です。
今回のお話は「老犬のてんかん」ですので加齢による「腎」という働きが弱った事で何が起こるかというお話をさせて頂きます。


歳をとったり体が疲労したりすると、生命力の源であり、精力を作ってくれる「腎」という働きが弱くなってしまいます。
「腎」は熱を持ったり、暴走した「肝」にお水をかけ、冷やして「気を下す」という役割がありますので、腎がパワー不足になると痙攣の発作に繋がりやすい肝の熱である「肝熱」を抑えることができなくなってしまいます。
「上がる」力と「下す」力のバランスが崩れて痙攣という形で表れるのが「てんかん」です。

「頭がアチチだとしんどいよね」

※先代ワンコ薬膳アシスタントの小珠です。脳炎で痙攣発作がありました。

こんな時は要注意!発作のリスクが高い時

よく「この子は何が原因でてんかんになったんでしょう?」と質問されることがあります。
てんかんの原因となるものは、体質や環境など様々な要因が重なり、更にそれが発作として出るかどうかの運にも左右されるため、なかなか原因を確定することはできません。
ただ、頭頂部や肩甲骨周りが熱いワンコは注意した方が良いかな?と思います。
※それも必ずしもてんかんになる訳ではありません。

今回お伝えするのは、あくまでも既にてんかん発作があるワンコが「こんな時に発作リスクが高まるよ」というお話です。

《 気圧の変化 》

低気圧や台風が近づいて来ている時、頭痛や吐き気などの不調に悩まされる飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。
「気圧」は空気による圧力の事です。
生き物を含めたあらゆる物体は常に全方向から空気の圧力を受けています。
そして、生き物は同じ位の力で内部から押し返し、打ち消しあっています。

気圧は、大気の状態で上下します。
その変化に合わせて、体の中からコントロールしなければならないのですが、何かの原因でコントロールがうまくいかないとき、頭痛などの体調不良や痙攣の発作に繋がることがあります。

気圧の「上昇」「下降」「下がり切った時」「上がる時」など、タイミングはそれぞれですが「うちの子はこんな時に発作が出やすいかも?」とチェックしてみるのもおススメです。
気圧や頭痛対策のアプリなどもありますので活用してみてしてください。

「小珠は気圧の谷底から上昇する時に発作が起こりやすかったよ」

《 台風の右側の地域 》

台風は、巨大な巨大な空気の渦巻きです。
地上付近では、上から見て反時計回りに強い風が吹き込んで来ます。

東洋医学では、台風は「様々な気(エネルギー)を引っ張り込みながら浄化する」と言われ、上記の様に反時計回りに大気を引き込みながら進むため、台風の右側の地域は強い影響を受けます。
生き物も同様で、日本の場合は西から東へと台風が移動して来る時に発作リスクが高くなります。
台風が来る時はお薬の他に頭を冷やせる濡れタオルなどを用意しておくと安心です。

《 意外と侮れない光刺激(照明)》

「暗いところ」から急に「明るい場所」へ
「ライトのオン」「オフ」など、光による刺激は何処にでもあります。
体質や体調によりますが、強すぎる光刺激は痙攣の発作のリスクを高めます。
人間でも発作リスクを下げるためにサングラスを常用される方もいらっしゃいます。

てんかんなどの痙攣発作のあるワンコの休む場所の照明は光量を、少し落としてあげたり、外出先で暗いところから出る時は手やタオルで影を使ってあげたりして、10〜30秒ほど時間をかけて光に慣らしてあげて下さい。

我が家の照明です。
一灯タイプで、赤ちゃんのお部屋にも使えるというものを使用しています。

《 アロマオイル 》

「え?アロマオイルって良さそうなのに」と思われるかもしれません。
ですが、種類によっては発作の引き金になりますのて注意が必要です。

*︎てんかんや痙攣発作のあるワンコのNGアロマオイル
「ティーツリー」「ローズマリー」「ユーカリ」「ミント」

*︎てんかんや痙攣発作のあるワンコにおすすめなアロマオイル
「バジル」「ラベンダー」「フランキンセンス」

《 自律神経の乱れ 》

ストレスなどが原因で自律神経が乱れると体が体調を整える力が弱まるため、発作だけでなく、様々な不調を招きます。

・夜はゆったりと過ごし、興奮させる様な遊びは避けましょう。
・出来たら22時以降は暗めの場所で休ませてあげて下さい。
・飼い主さんの場合も可能な限り早寝を心がけて下さい。

「早寝は美容と健康のキホン!!!」

ゆるっとワンコ薬膳のススメ 〜東洋医学を使ってシニアケア「老犬のてんかん」〜 ケアの方法

境谷真佐子

境谷真佐子

投稿者の記事一覧

(さかいだにまさこ)
タイ式ヨガインストラクター

「あるなら探せ。無ければ作れ」をモットーに、愛犬の快適な生活とお出かけを探求しています。 楽しいお出かけ情報や、グッズのリメイク術をご提案していきます。

愛犬小珠のブログ『小珠メモ』:https://ameblo.jp/umeran0412/
心臓病、パグ脳炎の小珠(こだま)との日々

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