「犬のニーズ」を満たしてからトレーニングする
犬とトレーニングをはじめた家族へ渡す最初の宿題は、
・散歩時間を増やす
・散歩内容を充実させる
・その犬に向いている遊びや発散を生活に取り入れる
ことです。
なぜなら、毎日の生活の中でその犬にとっての適度な運動や適切な発散がされていないことも多いからです。
本能を満たすことは、犬にとって毎日の生活の中で必要不可欠なことなのです。
特に、仔犬や若齢の犬は、多かれ少なかれ本能的意欲が強い時期で、これが適切に満たされていないと、家族への甘噛みやジャレ噛み・いたずら・要求吠え・夜に落ち付いて寝れない・興奮しやすいなど、飼い主が困る行動で出てしまうことがあります。
人は、甘噛みや引っ張り、吠え行動を改善したいと希望しますが、それは人のニーズです。
もちろん、社会の中で暮らすためには必要なことですが、その犬の生活ニーズ(やりたいこと)を適切に満たす習慣を作れていないまま、人のニーズをトレーニングしようとしてもうまくいかないことが多いでしょう。
それは、体育や部活などで体を動かすことが好きな学生に、運動はさせず椅子に座って勉強だけしていないさいと言うようなものです。
適切に嗅ぎ・走り・噛んで疲れている犬は、余分なエネルギーが無く、落ち着きやすい。
その状態をつくった上で、人が教えたいこと・求めていることをトレーニングしていくと教えやすくなるでしょう。
性格や運動量、犬種や年齢、個体差によってニーズは変わります。
飼い主が困ると感じる行動は、その犬が求めているニーズが人にとって間違った形で出ていることも多くあるのです。
いたずらが多いならば …
固いおもちゃやゴム製の噛むおもちゃなどひとり遊び用の噛んでもいいオモチャなど複数用意してちゃんと噛ませて、顎を使わせましょう。
甘噛みや興奮噛みには …
おもちゃの引っ張りっこ遊びで本能を満たしながら、噛んでいいものよくないものを区別させましょう。
噛みたい本能が適切適度に解消されていれば、いたずらや甘噛みへの程度頻度が減り、トレーニングしやすくなると思います。
それ以外にも、
散歩で公園など草や土の多い場所でしっかりと嗅がせる時間をつくる。
広いスペースや河原でロングリードや伸縮リードをつけて走らせる。
隠したオヤツを鼻を使って嗅いで探す遊ばせる。
など、本能を満たす時間をつくるのもおすすめです。
1日に1度、犬が満足した!疲れた!状態を飼い主が意図的に作ってあげる。
そうすることで困った行動が自然と軽減されていき、ゼロにならずともトレーニングしやすい状態になります。
『遊び上手はこそ、しつけ上手』
困った行動に向き合う前に、その犬にとって必要な生活ニーズを知っていますか?
その生活ニーズを満たしていますか?
犬の生活ニーズを定着させることが、困った行動への適切な対処の1歩として、とてもオススメです。