犬と一緒に暮らす時、あなたなら、何ができていればお互い気持ちよく過ごせると思いますか?
例えば「オスワリができる」「マテができる」「リードを引っ張らずに歩ける」など、人の指示通りに犬が動けば、一緒に暮らしやすいですよね。
でも、犬が指示を聞くことができればそれで良いのでしょうか?
きっと、それだけでは足りないこともあります。
「しつけ」だけではない。
犬が犬らしさを発揮して生活することで、ストレスが溜まりにくくなり、互いにもっと楽しく暮らせることができる。
『犬の気持ちを知る』
犬が何を感じどう考えるのか?
犬が理解しやすい伝え方とは?
「犬と暮らすヒント」シリーズでは、犬も人もお互い楽しく暮らしていくために、飼い主である私たちができることをお伝えしていきます。
『本能=犬の生活ニーズ(やりたいこと)』
犬のトレーニングを考える飼い主さんの多くは、「吠えるのを止めさせたい」「引っ張るのを改善したい」「興奮するとジャレて噛んでくる」など、困っていることを改善のために依頼をしてきます。
トレーニング初日、自宅に訪問した私が最初にすることは「犬と家族の観察」です。
そして、ほとんどの場合、コマンドトレーニングや散歩訓練など、具体的に困っている行動改善に結びつかないと思われるワークからスタートします。
犬の基本的な行動は、「匂いを嗅ぐ」「走っているものを追いかける」「捕まえて噛む」です。
これらの行動は「狩猟本能」と呼ばれるもので、さまざまな姿形や性格の犬種に分かれた今でも、多かれ少なかれ残っている犬としての本能です。
飼い主が困ると感じる犬の行動には、彼らの本能や習性がきっかけになっていることが多いと感じます。
頭で考える前に、身体が反応し求めるのが本能。
それは、狩猟と無縁な現代人と暮らすようになった今も変わることなく、可愛らしい小型犬にも備わっています。
では、その本能=犬の生活ニーズを満たすために、どうしたらいいのでしょうか?
次は、具体的な方法のお話をしましょう。