しつけ・ケア

もっと楽しく犬と暮らすヒント!シリーズ3 家族の協力。犬は家族みんなで!

犬と人が互いに楽しく生活するためのヒントをお伝えしていきます。
今回は、犬を飼う時には必ず確認したい「家族の協力」がテーマです。


コロナ禍で在宅機会が多くなり、犬を飼い始める家族が増えていることがニュースで取り上げられていました。
このような時期だから「心の支えになる」「癒される」といった理由が多いようです。

犬を飼ってみようと思う人が増えることは、とても嬉しいことです。
ですが、十分に検討せず犬を飼い始めることには私は反対です。

犬は、10年以上生きる動物です。
可愛がることと日々の暮らしの中で飼い続ける事は違い、しつけやお世話の悩みごとは多かれ少なかれ出てきます。
それは、普通のことです。
しかし、安易な飼育は、犬と人、互いのためにならないことも多いのです。

ニュースでは、この機会で初めて犬を飼った家庭も多いとありました。
実際に、子犬を飼い始めた家族から、甘噛みやトイレトレーニング、犬の基本的な飼育方法などを知らずに困って、レッスンを依頼されるケースも増えています。
犬を飼う前に家族間で十分に話し合ってから、犬や犬種について、良い面も難しい面も調べてから飼い始めているかどうか?
それがとても大事なことと改めて思います。

逆に、この時期だからこそ「いいな!」と感じることもありました。
「パパの協力が増えている!」ということです。
在宅勤務のスタイルが増えたことで、犬の散歩やお世話、遊びに積極的に参加してくれているパパが増えています。
日常から犬と接点を多く持っているとしつけやお世話の大変さも実感があるのでしょう。
トレーニングをすることにも意欲的に参加をしてくれます。
家族全員で取り組む姿勢がいい状況を生み出します。

以前は、悩みがあってうかがうと世話をしている限られた家族(多くの場合、ママ)が大変さを一番感じているので、意欲が高い一方で、世話に参加することが薄い他の家族はトレーニングをすることに意識が向きにくく(時間的に難しい点がありながらも)、自身が積極的に散歩、遊ぶ、トレーニングをする気までになってもらうことが難しいと感じることも多くみられました(もちろん、コロナ前から家族全員で積極的に世話、しつけに取り組んでくれるご家族も沢山いらっしゃいます)。

犬は、一緒に暮らす家族を一つの「群れ」と認識する動物です。
家族で世話の分担をして、皆が犬に積極的に関わっている家族は、しつけでうまくいかないことがあっても「やり方」や「その子の個性にあった向き合い方」を家族が学んでいけばお悩みが改善していくことが多いのです。
ママが「一人で頑張らなければいけない」と孤立感を感じていることも少なく、家族間で一緒に頑張っているという雰囲気は、良い循環を生んでいると感じます。
逆もまた然りです。

トレーニングの「やり方」は、大事です。
それと同じぐらい、家族皆で協力して犬のトレーニングに向き合っている家族は強く、良い結果も導きやすい。

これから犬を飼いたいと考えているご家族も、犬の悩み事がすでにあるご家族も家族間での話し合いと継続的な協力が「やり方」以前に犬・人双方にとって楽に、充実した犬生活に繋がるキーではないでしょうか。

衝動的に飼い始めることは、やはりお勧めしませんが家族全員の協。
力体制がある家庭が増えていることは、嬉しく感じます。
犬は本来、家族の誰かが飼っている、
わけではなく家族全員と共に暮らす動物であるはずだから。

里見 潤

里見 潤

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(さとみ じゅん)

ドッグコーチ

1975年、横浜市生まれ。2004年、警察犬訓練校に入学、出張トレーニング会社を経て、保護活動団体「Dog shelter」の専属スタッフとして、保護犬のトレーニング、一時預かり家庭と里親家庭の間に入り、アフターフォローを担当する。
2012年7月より独立。出張、及び預託トレーニングを柱に活動する傍ら、保護犬の一時預かりを継続中。
 
日本警察犬協会公認訓練士
ジャパンケネルクラブ公認訓練士
東京都動物愛護推進員

 保護犬預かりを主に、トレーニングのことを書いている里見潤さんのブログ
 「イヌと歩けば。」http://setahachidog.blog.fc2.com

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