今、全世界が対策に取り組んでいる新型コロナウイルスをはじめ、地球上には、様々なウイルスや細菌による感染症が存在しています。
そんな感染症のひとつである『狂犬病ウイルス(ラブドウイルス)』
現在の日本では、狂犬病の予防注射が義務化されています。
まずは、日本が狂犬病に向き合ってきた歴史と、狂犬病がどのような病気なのかをおさらいしましょう。
日本が狂犬病に向き合ってきた歴史
まず、安心してください。
現在、日本で狂犬病の犬はもちろん、狂犬病に感染した人も確認されていません。
1950年以前の日本では、多くの犬が狂犬病と診断され、人にも感染し死亡者がでていました。
そんな状況下、1950年(昭和25年)1月26日に狂犬病予防法(犬の登録、予防注射、野犬等の抑留徹底)が施行され、それからわずか7年で日本における狂犬病は撲滅しました。
全世界では、今でも毎年5万人以上の人が狂犬病で死亡していることを考えると、日本の徹底した予防衛生のすごさを感じます。
(1957年以降、国内での感染や発生はありませんが、海外で犬に咬まれ帰国後に死亡した事例はあります)
狂犬病ってどんな感染症?
感染症対策で大切なのは、感染経路とその初期症状を知り、適切な予防と万が一発症した時に迅速に治療を行うことです。
狂犬病ウイルス(ラブドウイルス)は、犬だけではなく人や猫や家畜などすべての哺乳類に感染します。
(通常、人から人に感染することはないといわれています)
そして、犬と人の場合、潜伏期間や進行する症状に違いがあります。
【 感染経路 】
咬まれた部位から、唾液により感染する。
【 人が感染した場合 】
潜伏期 | 1~3か月程度 |
症状 |
前駆期 : 発熱、食欲不振、咬傷部位の痛みや掻痒感 |
治療法 | 発症後の有効な治療法はない |
予防 |
罹患動物に咬まれた場合は、できるだけ早く(発症前に)ワクチン接種を行う。 |
【 犬が感染した場合 】
潜伏期 | 2週間~2か月程度 |
症状 |
前駆期:食欲不振、性格の変化と行動の異常 |
治療法 | 治療は行わず、安楽死 |
予防 | 毎年1回の予防接種 |
次は、現在の日本における取り組みと対策についてです。