イヌに教え、教えられ
第7回 喜怒哀楽は全力で
身体をくねらせ、尻尾を振ってクンクン声をもらしながら、家族が帰宅したことを「喜ぶ犬」
普段は穏やかなのに、ゴミ箱からゲットしてきた菓子袋を抱えている時は、近づくだけで鼻に皺を寄せて「怒る犬」
平日は家族が仕事だから一人で留守番。パパがスーツを着るときは、1人置いていかれることが分かっているので、ちょこんと座って見送る「哀愁漂う犬」
大好きなオモチャを手に持つと駆け寄ってきて「楽しそうな犬」
犬は感情表現がとてもうまい。
喜怒哀楽を使いこなす犬と暮らすときは、こちらも負けてはいられない。
全力で褒め、本気で叱り、犬以上に楽しまないと伝わりにくい。遠慮していれば、愛犬とのコミュニケーションはすれ違いが多くなる。もちろん人間一人一人の性格が違うように、犬1頭1頭も違うから、静かに喜ぶ仔もいれば、嫌なことがあっても怒らずに受け入れようとする仔もいる。だから褒めるも怒るも楽しむも加減が必要で、その子に合わせてあげないとうまく伝わらない。
嫌なことや苦手なこと、気に入らないことがあると咬んでしまう仔に、咬んではいけないと教える時は、教える人も本気で叱り、全力で褒める。
「叱るときは阿修羅のごとく、褒めるときは菩薩のように」
「叱るも褒めるも全力で」
・・頭では解っているのだが、いざ向き合うとなかなか難しい。
これができなければ、いつまで経っても犬との間に本当の関係は作れない。
全力で犬と向き合う。
お気に入りのおもちゃを抱えて、これ以上めくれないくらいに唇を引き上げたかと思えば、突然おもちゃを置き、私を楽しそうに遊びに誘いにくる犬。
犬は、好きも、嫌いも、悲しいも、喜びも、いつだって全身で全力で表現してくる。
これは、人間同士のコミュニケーションにも当てはまることだと感じる。
今の日本は、物がとても豊かになり、必要なものや欲しいものは、いつでもすぐに手に入る便利な社会です。
反面、人間関係では、気を遣い過ぎたり、遠慮してしまうことも多いと感じる。
TPOに合わせることは必要だけれども、本音でぶつかり合うことで築ける大切な関係もあると思う。
元来、平和主義で物事を丸く収めたい性格の僕にとって、「怒る」はなかなか簡単ではなく、まだまだ修行が必要な感情表現です。
それでも、犬の躾のことで向き合うときだけは、勿論躊躇無く叱ります!
飼い主さんを(笑)
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