増え続ける空き家、その活用法は?
社会問題として叫ばれている「空き家問題」
2013年の総務省調査によると全国の空き家数は約820万戸、全住宅の7戸に1戸が空き家という状況になっています。
空き家は今後増え続け、2033年頃には空き家数2,150万戸、なんと全住宅の3戸に1戸が空き家になってしまと推測されています。
つまりこれは、自宅の両隣とお向かいの家のいずれかは空き家という状況が想像できることを意味しています。
その中、なんとかこの状況を改善しようと、住宅・不動産業界では住宅のストック活用、中古住宅の流通活性化が推進されています。
また、新築と中古、持ち家と貸家といった住まい方の選択肢が豊富に用意される中、住まい方の意識も多様化し変わりつつあります。
選択肢のひとつである「中古住宅をリノベーションして自分にフィットした住まいに形を変えて暮らす住まい方」も定着しつつあるように感じます。
そこで今回は、社会問題にもなっている空き家(中古住宅)に着目し、
その活用例として「空き家をパートナー(犬・猫)と快適に暮らせる賃貸住宅にリノベーションした計画」を紹介します。
【 空き家わんにゃんリノベーション計画案 】
建物データ: 総床面積115㎡・築44年・木造2階建て(在来工法)
場所:東京都近郊
郊外に増え続けている「庭付き一戸建て」の空き家。
かつての典型的なファミリー向け戸建て住宅をペットと暮らせる賃貸住宅にリノベーションします。
総床面積115㎡、5LDKといった大きすぎるボリュームを1階、2階で区分して2住戸の賃貸住宅に用途変更。
1階は外部からの出入りにしやすさ、犬が遊べる広い庭があることを生かし、犬飼育向けの住まいにリノベーション、
2階は一部小屋裏を開放し、猫が退屈しないようにキャットウォークやキャットステップを
張り巡らした猫飼育向けの住まいにリノベーションしました。
リノベーション前
リノベーション後
いかがでしたでしょうか。
築年数が経っている住宅をリノベーションする場合は、構造の耐震補強や断熱や設備の省エネルギー対策など、安心・安全を確保するための改修も欠かせません。
「住むために必要なリノベーション」が、第一優先になることもあるでしょう。
それに加えて、「住むことを楽しむためのリノベーション」や「快適に暮らすためのアイディアや工夫」を取り入れていければ、古い家が現代の暮らしにフィットした魅力的な住まいに生まれ変わり、パートナー(犬・猫)にとっても人にとっても、毎日の生活がより充実した豊かなものになることでしょう。