前回は、遠山さんやお客様のご邸宅の設計についてお話をおうかがいしました。今回も引き続き、ペットと人に快適な家づくりについて、お話をお伝えします。
犬と楽しく暮らすくふう
- 設計のくふうとしては、犬が優先なのでしょうか。
ヨークシャー・テリアと楽しく暮らせるくふうが、この家の設計ではなされています。
以前のすまいがメゾネットでベッドが2階にあったんです。そうすると犬が階段を怖がって、上にあがっていけないんですね。
そこで、この家では平屋にしようと考えました。階段もゆったり作っています。小さい犬を飼うためのくふうでしょうか。
人間が快適なら犬も快適
- 人にとってよい設計点としてはどんなところがありますか。
家のなかに暑いところや寒いところを作らず、平屋で家の中を動きやすくしています。廊下に出ると寒いとか、トイレに行くときは寒いとか、よくありますよね。そういう不便のないように考えています。つながれた空間になるように、部屋と部屋も仕切っていないんです。玄関から内側はすべてつながっています。全体が同じくらいの温度になるようにしています。空調代が心配かもしれませんが、それほどでもなく多少よけいにかかるくらいなんです。
アドバンスネットさんと作成しているペット共生住宅のマンションプランでも同じ考え方です。家の中が同じ温度になるようにして、ペットも人も自由に家中を動き回ることができます。玄関など、ペットが入れないようにする場所にだけドアを設置します。
人間が快適なら犬も快適という考え方で設計をしています。そして、犬も子どもも似たようなところがあると思います。入れない場所を作ったり、動き回れる場所を作ったり・・・。
- 足洗い場などはどうですか。
この家の足洗い場は、あまり使っていないんです。一日中、何度も庭に出たり、部屋に入ってきたりの繰り返しですので、足を洗っているときりがないんですね。ですので、タイルが汚れたらモップで拭くようにしています。そういうところに気を使わなくてよい仕上げにしています。
共生へと向かう生活スタイル
- 家を建てられた方々のお考えはいかがでしょうか。
犬を飼われている方は、共生住宅という意識はないと思います。それが当たり前になっているという感じです。泥がついても過ごしやすいタイル床も、意識せず自然に選んでいらっしゃいます。特段「犬のために」という言葉がでてくるわけでもないんですね。それが当たり前になっているのでしょうね。
また、賃貸で犬を飼っている方も、やはりいずれは一戸建てに住みたいと考えていらっしゃるのではないかと思います。
いまは一戸建ての方でも、家の外で飼う方は少ないですよね。自然に「共生」の方向に進んでいるのでしょうね。病気になったらちゃんと病院に連れていったり、家族のようになっていますよね。