留守の間や少し目を離すときに安全を守るために、そして何より犬が落ち着いて過ごせるスペースとして必要なのがハウスです。
仔犬の頃から、ハウスに慣れていると、成犬になったとき、旅行や入院、様々な場面で犬にストレスや負担を少なく過ごせることができるようになります。
ハウスの形状は、大きく分けて「サークル」と「クレート」の2つあります。
しかし、サークルとハウスの存在はわかっていてもどのように使いわけるのか、どう使えばいいのかなどわからないことが多いと思います。
サークルとクレートは似て非なるものです。
サークルは、犬の行動範囲を狭めるもの(=無条件にフリーにさせないもの)であり、
そこでの使用方法は
「おトイレ」
「ベッド」
「おトイレ+ベッド」
「おトイレ+ベッド+遊び場」
「すっごい広いサークルであれば範囲内で運動場がわり」
の5パターンがあります。
クレート(Crate;運送用木枠の箱の意味)の使用方法は、
「ワンを歩かせることなく持ち運び移動」
「ワンを落ち着かせて飛行機やクルマでの移動・輸送」
「ワンを落ち着かせて寝せるベッド代わり」
の3パターンとなります。
目的に合わせて「サークル」と「クレート」の使い分けをご紹介します。
サークルを使用する
【長所】
トイレ、寝床、お水などすべて設置することができる
長時間目を離すときや留守番に適している
仔犬は、排泄器官が未成熟なため長時間排泄を我慢することができません。
そのため飼い主さんが見ていられない時もいつでもすぐにトイレに行ける状況であるサークルはとてもいい環境です。
【短所】
トイレのしつけがしにくい
汚しやすい
サークルの場合、いつでもトイレに行けるため飼い主さんが犬の排泄する瞬間を逃しがちです。
このタイミングを逃すとトイレで排泄するということを褒めにくくなります。
また、「トイレに自ら行く」というよりは、「ベッドを汚したくないのでベッド以外のところでオシッコする」というくらいの習性なため、自らトイレに行くという感覚はなかなか覚えられないこともあります。
また、長く過ごすスペースにトイレがあるため、排泄物で体を汚しやすくなります。
特に子犬は排泄回数が多い上に動き回るため排泄物を踏みつけてめちゃくちゃということも多々あります。
周りが囲まれていないため、飼い主さんの動きが見え犬によっては甘え鳴きや要求吠えを起こしやすいという点もあります。
サークルに布をかけるなど、周りを囲い落ち着かせるなど、工夫をしていくことが必要です。
クレートを使用する
【長所】
周りが囲まれて暗く狭い場所なので犬が落ち着きやすい
トイレのしつけがしやすい
クレートは、周りが囲まれているため、祖先が巣穴で暮らしていた犬にとって落ち着きやすい空間となります。
また、視界が狭くなるので周りの動きが見えず、飼い主さんの行動を追うことはなく、落ち着いて休むことが出来ます。
コングにおやつを入れた物をクレート内であげたり、クレートでご飯をあげるようにすると、喜んで入るようになります。
特に仔犬は素直に吸収しやすいため、仔犬のうちから慣らすのがおすすめです。
【短所】
トイレを我慢できない月齢だと中で排泄されてしまうことがある
頻繁にトイレに連れ出す必要がある
家に人がいないときは使用できない
子犬は排泄器官が未発達なため我慢が出来ず、中で排泄してしまうことがあります。
クレートの中で排泄できるという感覚を身につけられてしまうと後々苦労しますのでもしも失敗してしまったらクレートから入れておく間隔を短くしましょう。
クレートを使用する場合は頻繁にトイレに連れ出す必要があります。
いつも家に人がいる場合や、お休みで時間が取れる場合などに使用するようにしましょう。
状況に合わせて使い分けよう
留守番や長時間目を離すときはサークルを使い、家に一緒に入れる場合は、クレートを使うなど2つの長所を利用して上手に活用してみましょう。
広いサークルが置ける場合は、中にクレートを入れられるためクレートを寝床に利用し、起きたらトイレに自ら歩いて行くということが出来るため狭いサークルよりはトイレを覚えやすいです。
サークルだけを使う場合は、サークルに布をかけてクレートのように周りを囲い落ち着かせる工夫もしてみましょう。
サークルやクレートの大きさによって色々な使用方法も出来ます。
「トイレシーツ=トイレ」「トイレトレー=トイレ」「飼い主のトイレコマンド=トイレのタイミング、場所」を学習しはじめたら、
「部屋フリー」「サークルをトイレ」「クレートをベッド」とすることも可能です。
将来的に、成犬になったときにどのような生活をしたいか?
フリーにさせる範囲やトイレの場所や形状、排泄方法などもイメージして、トレーニングを組み合わせながら、お家に合った物を使用して、快適な移住スペースを作ってあげてください。