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ペット可賃貸オーナーのための共生経営ガイド ~犬と猫、そして人が快適に暮らせる物件づくり ~   第4回 猫と暮らす賃貸のリアル ~ 爪とぎ・脱走・におい対策のポイント

「犬より静かそうだから、猫の方が飼いやすい」と思われがちですが、
実は賃貸物件では、猫特有の“困りごと”が少なくありません。

壁や柱の爪とぎ、網戸からの脱走、そしてにおい。
どれも入居後に「想定していなかった…」と感じやすいポイントです。

しかし、猫の性質を少し理解しておくだけで、
オーナー・入居者ともに快適な“猫共生ライフ”を過ごすことができます。

1. 爪とぎ対策は「我慢」ではなく「選ばせる」

猫は生まれつき、爪とぎをする動物です。
爪とぎはストレス解消であり、縄張りのマーキング行動でもあります。

そのため「やめさせる」よりも「専用場所でしてもらう」方が現実的。

オーナーとしては、
・壁紙の一部に「爪とぎ対応クロス」を採用する
・角部分に「保護パネル」や「木製カバー」を設置する
などの工夫が有効です。

最近では、DIY感覚で貼れる爪とぎ防止シートも人気。
原状回復費を抑えるだけでなく、入居者の安心感にもつながります。


2. 脱走防止は「窓」と「玄関」が要注意

猫は外の世界に強く興味を持つため、
「網戸を開けて脱走」「玄関ドアからスルリと外へ」といった事例が意外と多いです。

これを防ぐには、
・網戸にロック機能をつける
・玄関前に“二重ドア風”の簡易ゲートを設置する
・ベランダの手すり下部に
脱走防止ネットを取り付ける

といった“ちょっとした工夫”が効果的です。

入居者向けに「脱走防止アイテム一覧」や「おすすめ通販サイト」を紹介しておくと、
トラブル防止だけでなく「理解あるオーナーさん」という印象を与えられます。


3. におい対策は「換気」+「消臭素材」で快適に

猫のトイレのにおいは、
とくにワンルームや狭めの間取りでは気になりやすいポイントです。

そこでおすすめなのが、
脱臭効果のある壁紙調湿機能付きクロス
・トイレを置くことを想定した換気扇位置の工夫
・玄関近くに「空気清浄機の設置スペース」を設ける

こうした配慮で、におい問題はかなり軽減できます。
さらに、入居前に「消臭施工」をプランに組み込んでおくと、
退去時クリーニング費用の削減にもつながります。


4. 猫専用の“居場所づくり”が満足度アップに

猫は“自分の居場所”をとても大切にします。
壁や床材の対策に加え、安心してくつろげるスペースを意識すると、
ペット共生物件としての魅力がぐっと上がります。

たとえば、
・窓辺にキャットステップを設置できるよう壁補強を入れる
・高所にキャットウォークを設ける
・隠れられる小部屋(収納下など)を確保

こうした“猫目線の間取り”は、
SNSでも「猫が快適に暮らせる賃貸」として拡散されやすく、
入居率アップにつながるケースも増えています。

🐾まとめ

猫と暮らす賃貸では、
・爪とぎ → 保護材や専用壁紙で対応
・脱走 → 網戸ロック・玄関ゲートで予防
・におい → 換気+消臭素材で快適に

といった基本を押さえることが、トラブルを防ぐ第一歩です。

「ペット可」から「ペットと快適に暮らせる」物件へ。
小さな配慮が、入居者の安心と信頼を生む時代になっています。


次回は、「ペット共生型物件を選ぶ入居者の本音」をテーマに、
実際に飼い主が物件を選ぶときに重視しているポイントや、
オーナーが差別化できる“魅せ方”のヒントをお届けします。

ペット可賃貸オーナーのための共生経営ガイド ~犬と猫、そして人が快適に暮らせる物件づくり ~  第3回 犬と暮らす賃貸のリアル ~ 鳴き声・散歩・足音への配慮術

第5回 ペット共生型物件を選ぶ入居者の本音 

吉川 奈美紀

吉川 奈美紀

投稿者の記事一覧

(きっかわ なみき)

ヨガ・ピラティス・空中ヨガ インストラクター
メディカルアロマアドバイザー

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