冬に愛犬が、ずっと寝ている・散歩に行きたがらない・水を飲む量が減っているとき、寒がっていることが多い。
犬種によっても強い弱いがありますが、犬も人間と同じように寒さを感じる動物です。
「人間が寒いと感じたら、犬も寒いと感じている」
屋外で暮らしている犬でも、寒さが厳しくなったり、雪の降る日には、なるべく家に入れてあげてください。
それがどうしてもできないときには、しっかり寒さ対策をしてあげましょう。
屋内・屋外飼育、ボディケアや散歩、年齢によって変わってくる体、さまざまな状況で注意するポイントをご紹介いたします。
ポイント1 ~水分をしっかり補給させる~
水分の補給は、愛犬の健康にとって体の中の毒素を体外に排出する大切な役割を果たしています。水を飲む量が減ってしまうと、泌尿器系の病気にかかりやすくなります。
運動を増やして喉を渇かせるなど、水分を摂取したくなるような生活環境にしましょう。 心配な場合は、尿の状態・排尿の様子などをチェックして、獣医師に相談しましょう。
ポイント2 ~「室内飼育」と「外飼い」~
基本的には、犬は室内で一緒に暮らすことをお勧めしています。
室内にいるからこそ注意するポイント、どうしても室内飼育が無理な場合の外飼いでの注意点をそれぞれまとめました。
*** 「室内飼育」で注意すること ***
愛犬が暑がっているサインも見逃さないようにしましょう。
暑い時は、舌を出してハァハァと口呼吸を行います。
運動直後でもないのにそのような行動をしているときは、暖房が効きすぎていないか?衣類を着させすぎていないか?確認をしましょう。
1.急激な気温差に注意
お出かけ時など、室内の暖かい場所と寒い外気との急激な気温差に注意しましょう。玄関などの比較的外の気温と近いところで少し身体を慣らしてから外に出ると良いでしょう。
2.部屋の乾燥に注意
この時期は乾燥している上、暖房器具を利用することが多いので、部屋の乾燥にも注意が必要です。
皮膚や気管支に疾患がある犬には、その影響を与えてしまうこともあります。加湿器や霧吹き、お水をはった容器や濡れたタオルなどを部屋に置くなどの工夫をして、適度な湿度を保つようにしましょう。
3.犬の生活位置を考えて
犬は、人間と比べて低いところで生活をしています。ワンちゃんの過ごすところが暖まるように工夫をしてあげましょう。
また、エアコンから出てくる空気が、愛犬がいつも過ごす場所に直接当たらないように、噴出口の位置にも注意しましょう。
4.低温やけどに注意
ホットカーペットなどの暖房器具を使用するときは、暑いときに移動できる場所を必ず用意して、低温やけどなどを予防しましょう。
タイマーを利用したり、設定温度を低めにする、などの注意も必要です。
5.暖房器具に近づけない
暖房用の器具、ストーブ等でのやけどに注意をしましょう。ストーブガードなどを利用して物理的に近づけないようにするとよいでしょう。電気コード類もワンちゃんがかじったりしないよう、カバーをしたり、壁に沿って這わせたり工夫がしましょう。
6.換気をする
空気の換気が悪くなりがちです。窓を開け換気を良くして二酸化炭素中毒にならないようにしましょう。
*** 「外飼い」で注意すること ***
1.犬小屋の場所
太陽の温もりを感じさせてあげられる場所に、小屋の位置を移動しましょう。
日中の日当たりが良い時間に、愛犬が日向ぼっこができるようにしてあげましょう。
2.北風や冷たい雨や雪からの逃げ場所を用意する
冬の冷たい北風や冷たい雨・雪などから、犬が身を守ることができるように、小屋の屋根を 広くしたり、断熱加工をしたり、周囲に囲いをつくりましょう。
また、小屋の床面に毛布を敷いたりするなどして、寒さ対策をしてあげましょう。
3.飲み水をチェック
水が凍ってしまうと犬が飲むことができません。時々、チェックしましょう。
*水が凍るほどの寒さの場合は、家の中に入れてあげてください。
4.フードの量・フード容器について
外で寒さをしのぐ犬は、体を温めようと室内で暮らす犬に比べカロリーを消費するので、普段より少しフードの量を増やしてあげましょう。
ポイント3 ~子犬・シニア犬・病気の犬は、必ず室内飼育に~
シニア犬(老犬)、子犬、病気の子または痩せている子は寒さにとても敏感です。
必ず室内で暮らさせてあげてください。
室内飼育に慣れておらず、犬が嫌がる場合には、玄関の中などに暖かいベッドを用意してそこで過ごさせてあげてください。
ポイント4 ~冬のお散歩について~
子犬やシニア犬、病気の犬のお散歩は、お天気の良い暖かい時間に出るようにしましょう。
また、子犬やシニア犬、病気や寒がりの犬には、洋服を着せ防寒してあげるとよいでしょう。
そして、すべての動物にとって、体調維持のために日光をあびることがとても大切です。
日光をあびることで体内のカルシウム合成を促進させ、神経伝達ホルモンであるセロトニンの生産を活性化させていきます。太陽の下での適度な運動をさせることを心がけましょう。
もし、雪の日に散歩へ行くときは、家に帰ってからのケアをしっかりしてあげましょう。指と指の間に雪が入り込んでしまった雪をそのままにしていたり、解けて濡れた状態のままにしていると、指と指の間が蒸れて皮膚病になってしまうことがあります。指と指の間をしっかりと乾いたタオルなどで拭いたり、ドライヤーなどで乾かしてあげてください。
ポイント5 ~凍結防止剤は命取り~
凍結防止剤の成分で「エチレングリコール」という液体は、動物には甘みを感じる液体なため、犬や猫の行動範囲に置くと舐めてしまう可能性があります。
この液体によるペットの死亡事故もありますので、注意しましょう。
凍結防止剤を使用するときには、なるべく「エチレングリコール」の入っていない物を選びましょう。
ポイント6 ~ブラッシングやマッサージで血行促進~
ブラッシングは抜け毛やゴミをとる役目もありますが、身体の血行を促進してくれるという大切な効果もあります。身体の血行促進はブラッシングだけではなく、マッサージをするとより一層効果がでます。
身体の血行がよくすると、老廃物の排泄作用を促進、内臓や筋肉への酸素供給や栄養補給が増加、などいい効果があります。手で身体をさすってあげるだけでもマッサージに近い効果があります。
犬のマッサージについて
「犬のボディケア 第3回 愛犬の心と体を元気にするマッサージ」
で詳しくご紹介しています。どうぞご覧ください。