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もっと楽しく犬と暮らすヒント!シリーズ2 環境を「作る」「見直す」2/2

 ゲートの設置が、脱走・誤飲・転倒の防止に

【 脱走防止 】

玄関は、脱走の危険性がもっとも高い場所です。
例えば、チャイムが鳴り宅配業者さんの対応をしていると、玄関まで来て撫でてもらうのが好きな犬。
「うちの子は、人が大好きだから撫でてもらうだけで、玄関の隙間から外には出ません」と家族は言う。
でも、玄関の外にたまたま猫が居たら?
ふとした事で驚き飛び出してしまったら?
特に、好奇心が強い若齢犬や暮らす環境が変化したばかりの保護犬は、脱走の可能性が高まります。
脱走の一番の敵は「油断」です。
万が一、犬が逃げ出せば、人は必ず慌てます。
気になるものがあり飛び出した犬には、普段は効くマテの言葉も届かないかもしれません。
うちの犬は大丈夫と過信せず、玄関とリビングの間に壁となる「脱走防止ゲート」を設置しておきましょう。
ただ、ゲートを付けていても扉を開け閉めが面倒で、つい開けっ放しになってはいけません。
面倒でも、毎回扉を閉じるようにしましょう!

【 誤飲・誤食防止 】

犬がキッチンに自由に出入りできたら、気づかないうちに犬が食べてはいけない食材を食べてしまうかもしれません。
人にとって美味しい食材でも、犬には有害なものがたくさんあります。
キッチン入り口にゲートを付けておくことは、犬の誤飲誤食防止に大変有効です。
「据え置き型ゲート」は、鼻先で押して入れてしまう場合があります。
犬は、2~3回入れるとすぐに習慣化してしまいます。
簡単に入ることができない「設置型ゲート」をオススメします。

《 ごみ箱にも誤飲・誤食防止策を! 》
ごみ箱は、ストッパー付きのフタがあるものがオススメです。
犬が咥えたものを「アウト」で放すようにトレーニングすることも大切ですが、、
ごみ箱から菓子パンの空袋を咥えた犬と袋の取り合いで唸られるようことが度々あるならば、トレーニングをする前に、環境を改善することを考える必要があります。

【 転倒防止 】

子犬やテンションが上がった犬は、急に部屋の中を縦横に走ったり、階段を勢いよく登り降りすることがあります。
危ないのは、降りるときです。
犬は、上から下に降りる最後の数段を勢いに任せピョンと飛び降りることがあります。
興奮している犬は、後に何が起きるかまで考えていません。
子犬や脚が細いタイプの犬種は、転倒が骨折につながることもあります。
・階段前にゲートの設置
・階段一段ごとに滑り止めを貼っておく
など、転倒防止の対策をしておきましょう。
ケガをしたら、リハビリ中安静に過ごさせなくてはなりません。
遊びたいのに遊べない、動きたいのに動けない、運動を制限された愛犬の強いストレスを感じる生活を送ることになります。
「転倒防止の対策をしておけばよかった、、、」
後悔をする前に、そして犬のストレスを回避するために、家の危険な場所に対策をしていきましょう。

 滑り止めマットで股関節や腰を護る

室内で犬と引っ張りっこ遊びやおもちゃ投げなどをする時、犬が足を踏ん張ったり、急なターンをすると股関節や腰に負荷がかかります。
フローリングなど滑りやすい床の上で走り・遊ぶことは、負担が大きく怪我につながることも。
若齢期は良くとも、年齢と共に溜まった負荷がシニア期に現れることもあります。
室内で犬と遊ぶスペースや犬がよく走る場所には、パネル型の滑り止めマットを敷きましょう。
間違えて排泄したとき洗濯機で丸洗いできるタイプがオススメです。
「踏ん張り」が効くことで、犬も遊びにより集中し、満足もしやすいでしょう。

犬を飼いやすい環境は、安心と安全だけでなく、しつけもしやすくなります。
これから犬を迎えようと考えている家族は、犬がくる前に環境を作りましょう。
すでに犬と暮らしている家族は、見直せるところがないかを確認してみましょう。

もっと楽しく犬と暮らすヒント!シリーズ2 環境を「作る」「見直す」1/2

里見 潤

里見 潤

投稿者の記事一覧

(さとみ じゅん)

ドッグコーチ

1975年、横浜市生まれ。2004年、警察犬訓練校に入学、出張トレーニング会社を経て、保護活動団体「Dog shelter」の専属スタッフとして、保護犬のトレーニング、一時預かり家庭と里親家庭の間に入り、アフターフォローを担当する。
2012年7月より独立。出張、及び預託トレーニングを柱に活動する傍ら、保護犬の一時預かりを継続中。
 
日本警察犬協会公認訓練士
ジャパンケネルクラブ公認訓練士
東京都動物愛護推進員

 保護犬預かりを主に、トレーニングのことを書いている里見潤さんのブログ
 「イヌと歩けば。」http://setahachidog.blog.fc2.com

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