グループレッスンとは
慣れない場所で、他のペアとグループで飼い主と犬が一緒にトレーニングを行うレッスンです。
犬にとって、いつもと違う環境は、たくさんの刺激に溢れています。
嗅ぎ慣れない匂いに誘われたり、他の犬にソワソワしたり、不安になることもあるでしょう。
犬がいつもと違う気持ちになることで、普段できていることがうまくできないこともあります。
そして、飼い主は、他のペアと一緒にやることで、周りの目が気になってきます。
犬が普段通りにできなかったり、興奮して吠えたりすると慌ててしまう。。。
うまくいかず慌ててしまった時、飼い主が落ち着いた態度でいれるようにするための練習ができます。
犬と飼い主の双方にとって、グループレッスンは、刺激の中で楽しく過ごすために、とてもいい練習になるのです。
ある日のグルールレッスン課題
・犬に「呼びかける」誘惑に対して、伏せて待つ練習。
初めてグループレッスンに参加したミニチュアダックスとその飼い主。
飼い主は、誘惑に誘われる犬をマテで止めようとします。
でも、犬が少しづつ動くと、それに合わせズルズルと一緒に動きついていってしまう。
犬が指示を聞くことができないと、飼い主は慌てて何度も指示を連呼してしまう・・思うようにいきません。
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ここでの天敵は「周りの目を気にしてしまう自分(飼い主)」
私も誰でも同じこと、周りには良く見せたいものです。
犬と共にパフォーマンスをする時「お手本を見せなければ」と、気負い慌てます。
グループレッスンでは、うまくできることだけが目的ではありません。
普段できることがうまくいかなかった時に、ハンドラーがどういう気持ち・態度で犬と向き合うのか、そこが大事だということに飼い主自身に気付いてもらう機会なのです。
うまくできない時、自分が揺るがず犬に関わり続けられるか。
犬がうまくできる・できないは、その後についてくるものです。
犬は、飼い主をよく観ています。
その場ではうまくできなかったとしても、ハンドラーがブレずに向き合えたなら、次に繋がります。
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そのことを飼い主に伝えて再チャレンジ。
犬は正直ですね、何度でもしっかり誘惑につられ動き出します。
でも、ここからが飼い主の勉強どころです。
さっきまでは、待てない犬の動きにつられてついて行ってしまった飼い主が、犬の動きを止め、気持ちを入れ直して毅然と指示を出します。
1回でできなくてもいい、2回3回と慌てず指示を出す飼い主。さっきとは違う飼い主の態度に、犬の意識の重心が誘惑から飼い主側に戻ってくる変化がでてきました。
2分のトレーニングの間、マテたりマテなかったりしましたが、
最後はきちんとその場で伏せて待てた犬。
周りを気にしていた飼い主が、周りを気にせず気持ちを出して犬を褒めているように見えました。
トレーナーにとっても、とても嬉しい瞬間です。
犬は、飼い主次第少しづつ変わってきます。
うまくできなかったらどうしようと緊張し、不安になることや失敗することもあります。
それでも、いろんな環境・状況でいつも通りにできるように練習する。
試されているのは、犬ではなくて自分(飼い主)なのです。
飼い主さんに指導しながら、トレーナーである自分はどうなのか?と振り返らせてもらえるのもグループレッスンの良さです。