犬と猫など異種ペットを飼うには?
後編
よりよい組み合わせについて
異種動物のペットを飼う場合、仲良く一緒に暮らしてくれるかどうかは基本的に予測不能です。しかし、そのような中でも比較的友好な関係を築いていけそうな組み合わせを考える余地はありそうです。もちろんどの動物も一匹一匹、性格が違います。最終的には個体差が決め手になってしまいますが、今回は、飼い主さんの側で工夫できる部分について考えてみましょう。
異種ペットを飼う場合には、まず犬が先住であるケースが比較的飼いやすくなるようです。逆に、猫が先住で、あとから犬や小鳥、小動物など異種動物を飼うのは難易度が高くなるようです。
オリーブ動物病院(東京都国分寺市)の有薗浩見院長は、「猫は他動物への攻撃性が強いため、猫が先住の場合は難しくなるかもしれません。実際に、異種ペットを飼われている方々の場合でも、先住が犬であることが多いようです」と、猫が先住の場合での注意を促しています。
その理由は、犬はそもそも群れ動物であり、社会性の強い動物であるからです。犬と猫の組み合わせでも、犬が先に居て、あとから猫を迎えた飼い主さんのほうが実際に多数派で、その逆は少ないようです。
猫は元来、単独行動派の動物で気まま。騒がしい場所や犬の鳴き声なども嫌いますから、自分のあとから犬が同居してくると、ストレスが大きくなる恐れがあります。
また、猫を飼われている飼い主さんご自身も、騒がしい環境が嫌いであったり、犬のワンワン吠える声が苦手であったり、騒音が出せない住環境に住まわれていたりすることで、ペットに猫を選ばれているという場合もあります。
子犬を産んだばかりの母犬が、親のいなくなった子猫にも自分の子犬たちと一緒に乳を飲ませて育て、子猫が大きくなってからも、ずっと本当の母子のように仲良く暮らしているような幸せな例もあります。
犬と猫の組み合わせでもそれ以外の場合でも、基本的に同居は子ども同士でのスタートがベストでしょう。人間同様、小さい時から一緒に暮らしていると、子どもゆえに慣れやすく、自然な形で相手に親しんでいくことができるからです。
子ども同士の成功の一例として、有薗先生の動物病院に来られた方のエピソードをお聞きしました。
「マルチーズとセキセイインコという、小型犬と小鳥の異種組み合わせの飼い主さんがおられましたが、それぞれ子犬・ヒナの状態から同時期に育てられました。そのお家で子犬を飼われた時、たまたま頼まれてセキセイインコのヒナを引き取られ、幸いにも非常に上手くいき、互いにケージから出しても犬が襲うこともなく、子犬の背中にインコが乗ったりして仲良く共存していました。よく喋るインコでしたね。」とのこと。想像すると可愛いらしいですね。
また、有薗先生は、「異種の飼育では、性別としてはオスよりはメスのほうが、攻撃性が低くて無難です。いずれにせよ性格は極力おとなしい子を選ぶことを心掛け、すでに去勢をしている子たちのほうが攻撃性も減っており、より飼いやすいでしょう」とアドバイスしています。
種類では、犬の場合は小型犬のほうが、性質や居住環境のゆとり的にも適しており、大型犬よりは異種飼育で扱いやすいようです。一部、レトリバーなど温和な性質の犬種であれば大型犬であっても比較的安心かもしれません。
猫の場合は、日本猫のほうが飼いやすく、外国猫、特にシャム系統は警戒心が強いため、異種ペットの飼育には不向きな傾向があります。
当然のことながら、猫は高い所が好きで、高い所に登れますから、家の中でも動き回る範囲が犬よりもずっと広くなります。対して、犬は地面や床、平面でしか行動できません。ですから、互いに同居のストレスを軽減させるためには、犬が登れない高い所に猫の居場所をつくってあげ、犬の居場所は床に、というふうに棲み分けを考えてあげるとよいでしょう。
「互いのテリトリーをつくってやり、いつも同じ空間に居ないことでストレスが減ります。仮に猫が犬に追いかけられても、高い所に自分の逃げ場があれば猫も安心。これはインコ等、鳥に関しても同じですね」と有薗先生。
不幸にもどうしても不仲な場合の対策も考えておかないといけません。同じ部屋では合わせないようにするとか、飼い主の不在時には異種ペット同士が安易に遭遇できないよう、互いにケージに入れて距離を置いておくなどの工夫が必要ですね。
取材協力:オリーブ動物病院(東京都国分寺市)http://www.olive-ah.com/index.htm
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