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日本は動物愛護後進国! ~海外に学ぶ動物愛護 第1回~

日本は動物愛護後進国!
-海外に学ぶ動物愛護 第1回-

    


 ここ数年、日本での動物愛護に関する法律や環境整備が進みつつありますが、他国と比較すると、実は日本はまだ「動物愛護後進国」なのをご存じですか?

 欧米諸国では非常に動物愛護活動が盛んで、中でも先進的なのはイギリス。

 動物愛護において、日本は少なからずイギリスからの影響を受けており、1973年には、エリザベス女王来日に備えてペットに関する法整備を急いで進めた、という過去の出来事も、それを象徴しています。

 しかし、それにも関わらず、「日本は動物愛護がイギリスよりも100年遅れている」と言われているのです。

 動物愛護先進国のイギリスでは、どのような施策がとられているのでしょうか?

 そして、日本とはどう異なるのでしょうか?

 今回は、イギリスの動物愛護の実情を、法律や団体等の事情から、日本との違いも比較しつつ、お伝えします。

イギリスも過去は動物虐待が日常的だった

 イギリスは「動物愛護先進国」と言われているだけあり、今では非常に動物愛護精神に長けた国ですが、驚くことに17世紀頃までは

「世界は人間のために存在している。他の種はすべて人間の従属なので、好きなようにしてよい」

という考えが一般的で、家畜動物などへの虐待行為が横行していました。

 しかし、18世紀にイギリスの動物愛護の歴史は動き始めます。

 その草分けとなったのが、同国の学者ジェレミー・ベンサムが提唱した、このような考えでした。

「問題は『動物が理性的であるか。話すことができるのか』ではなく、『彼らは苦しむのか』なのである」

 これは、「動物も人間と同じように苦痛を感じる存在である」という主張。現代の私たちからすればあえて言うまでもない当然のことに思えますが、当時はまだ、「動物は道徳的に扱われる権利を持っている」という考えは一般的でなかったのです。

 しかし、経済成長などの社会環境の改善も手伝って、同時期にはベンサム以外の多くの知識人からも動物虐待を批判する声が高まり、イギリスの動物愛護の法整備が後押しされていきました。

法律というかたちで動物が権利を得た


 イギリスには動物に関連する法令が多く、2013年現在、その数は70を超えています。

 イギリスの動物愛護の歴史を順に紐解いていくと、早くも1824年には「動物虐待防止協会(現在の通称:RSPCA)」が設立され、虐待を取り締まる活動が始まっていたことに驚かされます。

 このころ、日本は江戸時代後期で鎖国の真っただ中。そんな時期にすでにイギリスでは団体を挙げての動物愛護が始まっていたのです。

 その後、1911年に「動物保護法」が制定されました。イギリスの動物愛護は、初めは一部の知識人が提唱していただけで、その対象も牛馬だけでした。しかし、次第に保護対象となる動物の範囲が拡大するとともに、動物愛護の精神が国民の間に普及・定着し、社会規範として法制化されるに至ったのです。

 1951年に制定された「ペット動物法」では、ペットショップの経営を認可制にし、改正後には街頭や公共の場でのペット販売が全面的に禁止されました。60年以上前に、イギリスはすでに現在の日本のはるか先をいっていたことになります。

 2006年には新たに「動物福祉法」が制定され、ついに飼い主への法的義務が生じるようになりました。「適正な住環境を用意する義務」など、動物に対する人間側の責任を強く言及していて、日本の法律よりも、動物の権利を広く主張したものとなっています。

驚きの英国犬ライフ――リードなんて無くてOK!


 長い歴史を経て、動物愛護先進国へと成長していったイギリス。現在のイギリス人の犬との暮らしはどのようなものなのでしょうか。

 イギリス王室の一員としてエリザベス女王と共に生活をし、「高貴な犬」とよばれているをご存じですか?

 イギリスにおいて、犬は特に「companion(コンパニオン=仲間)」とされ、家族・社会の一員として認められています。

 その象徴として、イギリスでは、日本人が目を疑うような光景が広がっています。

 なんと、公園で散歩している犬の多くがリードを付けていないのです。それも、1匹や2匹ではありません。

 そして、人のためにお手洗いを設置するのと同様に、公園にはあちこちに犬の排泄物専用の箱が設置されています。

 それだけでは飽き足らず、犬も人と一緒に公共の場所や交通機関を利用することができ(しかも無料です)、しつけが十分であれば、高級ホテルにも宿泊できるのです。

 このようなことを可能としているのは、イギリスの犬たちに行き届いたしつけ。

 イギリスでは犬との共生が成り立っているからこそ、人間の親が自分の子供をしつけるのと同じ感覚で、飼い犬をトレーニングスクールに行かせるのが当然のことになっています。スクールでは補習のエキストラレッスンまで設けられているほど、しつけの意識は徹底されています。

リード無しでも全然平気 その甲斐があり、公園で犬をリード無しで自由に遊ばせていても、呼ぶとしっかり飼い主のところへ戻ってきます。他の犬がいても、吠えあったりする光景は稀です。

 このように、犬なくしてイギリスは語れないといえるほど、イギリス人の生活は犬と密着しており、人間に近いレベルで、犬をはじめとした動物たちの権利が保護されています。

 次回は、動物たちの権利を守るために日夜活動している、イギリスの動物愛護団体について紹介していきます。


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