最近は、ワクチン接種というと新型コロナのワクチン接種を思い浮かべることが多くなっていますが、感染症予防の観点から接種するワクチンは、人のみならず犬たちにとっても非常に大切な手段です。
今回は、犬の混合ワクチン接種について、種類と予防できる病気を確認したいと思います。
混合ワクチンは「任意接種」
犬のワクチン接種の代表的なものに狂犬病の予防接種があります。
狂犬病予防接種は、法律で決められていますので、犬を飼っている人は必ず受けさせなくてはなりません。
(病気などの理由で獣医からの指示がある場合を除く)
一方、混合ワクチンは任意接種です。
毎年動物病院から「1年経過したのでワクチン接種を」というお知らせが来ますし、ドッグカフェやドッグランでワクチン接種証明書の提示を求められることが多くなっています。
そのため、年に1回毎年同じ時期に接種しているという方が多いかと思います。
混合ワクチンの種類「コアワクチン」と「ノンコアワクチン」
混合ワクチンは、一般的に1種~10(最近は11種も登場)まであり、病院により何種の混合ワクチンを扱うかは異なっています。
さらにワクチンには「コアワクチン」と「ノンコアワクチン」があるのをご存知でしたか?
◇コアワクチンとは?
コアワクチンに含れる病原体は、全世界に見られ、感染すると命に関わることがあります。
犬にとって危険で死の恐れもある病気に対するワクチンで、すべての犬に接種することが強く勧められています。
《コアワクチンで予防する感染症の種類》
・犬ジステンパーウイルス感染症
・犬パルボウイルス感染症
・犬伝染性肝炎
・犬アデノウイルス2型感染症
動物病院では5種、6種の混合ワクチンが該当します。
◇ノンコアワクチンとは?
感染のリスクがある個体のみ接種することが勧められるワクチンです。
住んでいる地域やライフスタイルで接種の判断が必要です。
《ノンコアワクチンで予防する感染症の種類》
・犬パラインフルエンザ
・犬コロナウィルス感染症
・レプトスピラ
動物病院では8種、10種(11種)の混合ワクチンが該当します。
街中での暮らし、普通の生活環境の場合 → 5種または6種混合ワクチン。
キャンプに連れて行く、多くの飼育動物や野生動物との接触・交流の可能性ある場合は → 8種または10種混合ワクチンの接種を勧めている動物病院がほとんどです。
暖かい地域で飼育されている犬や山・川・湖沼に入る犬などは、犬レプトスピラ(レプトスピラは人間と動物に共通して感染する細菌病です)、多頭飼育などしている場合には、犬パラインフルエンザウイルスのワクチン接種が求められます。
次は、ワクチン接種で起こる可能性がある「副作用」と接種するワクチンの種類についてのお話です。