第3時間目は、「フセ」のしつけエクササイズです。(「スワレ」ができるようになってからトライしましょう)
「フセ」はリラックス、休みの姿勢です。飼い主の横で休むとき。カフェやお出かけ先の席の横で。長い時間の「マテ」は「フセ」の姿勢で。「フセ」ができると犬も飼い主もいろいろなシチュエーションで気持ちよくリラックスタイムを過ごせるようになります。
- まず「スワレ」をさせます。フード、おやつを持った手のにおいを愛犬にかがせ、手の中にごほうびがあることを伝えます。
- おやつを持った手を鼻先から真下にゆっくりと下ろしていきます。顔が下を向くように意識しながら誘導の手を動かすと、「フセ」の姿勢になりやすいでしょう。
- 顔が下がり、前肢を曲げ、「フセ」の姿勢となったらほめ言葉をかけた後に、手に持っているごほうびをあげましょう。これを何度か繰り返しやることで、顔を下げて前肢を地面につけたら正解なんだと愛犬が認識するようになります。
- 繰り返し練習し、「フセ」がスムーズにできるようになってきたら、「フセ」のコマンドを、手の誘導と一緒にかけるようにしましょう。
- おやつ誘導による「フセ」が確実にできるようになったら次のステップです。徐々に誘導のおやつをなくしていきます。まず、誘導する手とは反対の手にフードを持ち、誘導はハンドシグナルだけでできるようにします。それもできるようになったら、どちらの手にも誘導のフードは持たずに練習します。段階を踏んでステップアップしていくことが大切です。
- 犬によっては、前肢を地面につけるところまで誘導することが難しい子もいます。なかなか「フセ」の形にならずごほうびももらえないため、「なんだもらえないのか」と諦めてしまう犬もいます。その場合は最初から「フセ」の形を求めず、「顔が下がる→膝を曲げだす→ごほうびをあげる」を何度か繰り返し、膝を曲げる角度を少しずつつけていき、前肢が地面につく姿勢になるまで段階を踏んで教えてあげましょう。
WAN!ポイント
- 前肢が曲がるけれど地面にまでなかなかつかない場合、滑りやすいフローリングで練習することも有効です。
前肢が滑りやすい → 「フセ」の姿勢になりやすい環境
- 誘導のフードは必ず手の中に収まるように持ちましょう。指先でつまんで持つと舌でペロペロと舐めたり、端をかじられてしまいます。その時点でごほうびをもらえている、正解であると愛犬に教えていることになるので注意しましょう。
- 前肢が地面につくところまでできるようになったら、毎回しっかりと前肢が地面についているかを必ず確認してからほめ、ごほうびをあげるようにしましょう。
- 1時間目「スワレ」WAN!ポイントの①、②、③も参考にしてください。
ケーススタディ
それでも前肢が地面にまでなかなかつかず、「フセ」にならない場合
- 膝でトンネルをつくり、まずは膝をくぐればごほうびがもらえるようにするところから始めましょう。愛犬がトンネルをくぐりたくなるように、ごほうびを持った手をトンネルの内側から外側(犬とは反対側)に引き出すように誘導し、犬がトンネルをくぐったらごほうびをあげることを何度か練習します。
- 膝トンネルの高さを少しづつ下げていき、ごほうびを食べるには前肢を曲げないと通れない高さにして練習します。前後肢とも地面に付く「フセ」の形になったらほめ言葉をかけた後でごほうびをあげましょう。誘導の手を追ってスムースに「フセ」ができるようになったら膝をなくし、基本の(1)から再度練習をしましょう。
どんどんステップアップできる子もいれば、じっくりとコツコツステップを刻み練習することが向いている子もいます。お互い無理なく練習できるよう、愛犬に合っている方法を見つけ、1段1段、階段を上っていくようにステップアップしていくことがうまくいくためのコツといえるでしょう。