少しづつ寒くなり、場所によっては降雪の予報も聞かれる季節になりました。
空気も乾燥して、呼吸器やお肌の弱いワンコには辛い季節です。
「小桃も秋冬は苦手なの」
東洋医学で秋に最も負担がかかり疲れやすいのは「肺」です。
肺は、呼吸機能の他、体の水を動かし、体液を巡らせて潤わせたり余分な水分を呼気や汗にしたり、腎に下ろした体外へ出すという働きがあります。
そこで、今回は「肺をケアして乾燥対策」のお話です。
「肺」の働きって?
東洋医学的な「肺」の主な働きは
*呼吸機能
*体中に水分を配る
*体温調節機能
*外邪(感染症なと)を寄せ付けない
*免疫機能
などがあります。
肺は、生き物の体に重要な「気(エネルギー)」を司ります。
呼吸を通して古くなったエネルギーを吐き出し、新鮮なエネルギーを入れて体の中の「気」を入れ替えます。
体内に取り込まれた新しい「気」は、消化器系で運ばれた「エネルギーの素」に乗せて全ての臓器や器官に運ばれてそれぞれの機能を助け、気道や皮膚にも運ばれて潤いやバリア機能を高めてくれます。
そして、意外に思われるかもしれませんが、肺は「大腸」と兄弟の様な関係性でもあります。
「この時期によくお腹の調子が悪くなるかも」「秋から冬にかけては便秘しやすい」とお心当たりのある飼い主さんやワンコは肺をケアしてあげると改善しやすいです。
「ボクは腸にお水が溜まりやすいんだよ」
※排便時、最後の方または2回目の排便で柔らかすぎる便が出る場合は、腸に余分なお水が溜まってら可能性があります。
こちらも肺ケアで改善が期待出来ます。
「肺」が弱いワンコってどんな?
「肺」が弱いワンコ(人も)に表れやすい症状は、
*鳴き声が小さい・かすれる・出ない
*咳や鼻水が出る
*便秘気味になる・下痢気味になる
*皮膚が乾燥気味・痒みやニキビが出る
*秋の始まりにアトピー性皮膚炎が酷くなる
などがあります。
上記ほどの症状が出なくても「この時期は肩凝りがひどい」「何となく上半身がブヨブヨしてくる」というサインもあります。
秋冬は潤いとエネルギー補給がカギ!
先ほどからお話している通り、秋は体のバリア機能を司る「肺」寒い冬は生命力の貯蔵庫である「腎」が疲れやすい季節です。
その為、秋冬は体の免疫力が落ちやすく、体調を崩しやすくなります。
その上、空気も乾燥しておりますから、呼吸器やお肌も荒れやすくなり、つながりの深い大腸も影響を受けて便秘や下痢になりやすくなります。
そして、エネルギーを消耗し「水分不足とエネルギー不足」の状態になりやすいのです。
この「水分不足とエネルギー不足」は、特に皮膚の荒れを起こしやすく、症状が重くなると皮膚炎を起こしてしまいます。
「ボクも栄養不足で皮膚炎だったんだよ!」
※元繁殖犬の泰介は、慢性的な栄養不足、水分不足、エネルギー不足で全身が皮膚炎でした。現在は完治しております。
泰介は、極端な例かもしれませんが、この時期に不調が起こりやすいワンコは「肺ケア」を意識してみて下さいませ。
次は「薬膳ごはんでケア レシピ紹介」です。