前回は、ペットのフード選びに関して、「食欲不振のとき」というテーマでお伝えしました。今回は、「トッピングのすすめ」というテーマです。ペットの食べ物を手作りをするなどを経た筆者の経験を通してお話します。
トッピングのすすめ |
皆さんは愛犬愛猫のエサを手作りにしようと考えた事はありますか?
この「エサ」についても、世間には、いろいろな意見があります。栄養バランスが崩れるから、ペットフードだけを与えるべき。ペットフードは体によくないから手作りにすべき。手作りにしても、生食なのか加熱食なのか・・・と本当に賛否両論です。
そのため、愛犬愛猫にどんな食生活をさせるかは飼い主さんの考え方次第になります。
そんななか、私が、ペット栄養学を勉強をしてきて、実際に自分でも愛犬に手作り食を与え続けてみた結果、一番おすすめできるのは総合栄養食にトッピングを加えることです。
最近は、総合栄養食もとても研究され、栄養バランスもよくペットが昔よりも長生きするようになってきました。そういった結果からも、ペットフードは正しい物を選べば、一番手軽で安全な食べ物かもしれません。また、歯に詳しい獣医さんからするとドライフードを噛むことで、歯に歯石が着きにくくなるそうです。
自然のままで生きること |
しかし、これも個人的な意見ですが、「ドライフード」は工場生産の製品です。目の前にあり、ひとつひとつの原料をたしかめたわけではないのです。ドライフードをみて、色やにおいから、原料をひとつでも当てるのは困難です。
もしも、犬や猫が自らすすんでドライフードを、自分たちが生きるための原動力として選んだのならいいのですが、残念ながらそうではありません。人間の都合で与えられているにすぎません。
もちろん、ドライフードは長年研究され、その栄養配分やペットの嗜好も考慮され、信用できる商品も多くなってきています。しかし、なるべく自然のままで生きることがよいのではないかと私は考えるので、自分自身も、野菜や果物は季節ものの食材を採るように意識しています。
それはやはり、人間以外の動物でもそれができれば最善ではないかと思っています。そして、その考えは愛犬にも、向けられました。
手作り食を愛犬のために、毎日作ろうと挑戦してみました・・・。
手作り食を試す日々 |
しかし・・・。自分でも、犬のための手作り食を試してみましたが、なかなかたいへんでした。毎日、栄養バランスを考えながら愛犬のエサを作るのは容易ではありません。
手作り食は続かなくては意味がありません。
飼い主・ペットが共に負担にならないことが一番 |
その結果、信用できるペットフードをベースに、野菜やお肉をトッピングとして与えることが、飼い主の負担と愛犬の健康を考えたうえで最善と考えるようになりました。
酵素は熱や加工にとても弱く、生の材料にしか含まれません。酵素は動物の体にとって不可欠な成分で、動生きていくには必ず必要となります。酵素は体内でも生成されますが、動物が生成できる一生分の酵素量は決まっているといわれています。そのため、野菜や肉・果物を生で食べることで、それに含まれる酵素を動物が体内で活用することができるのです。
もう一つ、トッピングをすすめる大きな理由があります。これも私個人の考えになってしまいますが、ペットフードには、「人間が知りえる栄養素しか入っていない」と思うのです。たとえば、ビタミンA。これは酸化しやすいため、栄養添加物として補充されます。これは、人間が「ビタミンAは酸化しやすい」という事実を知っているからできるのです。では、もし人間が知らない栄養素があり、それらが加熱や加工に弱く、すぐに酸化してしまうものだったらどうでしょう。
その栄養素がペットフードに含まれることはありません。
そして、その栄養素が生きていくことに必要な必須栄養素だったらどうでしょう。
実際、未だ新しいビタミンが毎年発見されているそうです。
以上の理由から、私は野菜やお肉をペットフードにトッピングすることをおすすめします。