ここまで、ペットのフード選びに関して、ライフステージとフードの種類、理想体重とダイエットなどについて、お伝えしてきました。今回は、「食欲不振のとき」というテーマです。ペットが「食べなくなる」原因や、対処法などについて、筆者の経験を通してお話します。
食欲不振の原因 |
食欲不振の原因は様々です。改善には何が原因なのかを知る必要があります。
・おやつなら食べるからといっておやつを多く与えていませんか?
・食べないからと言ってペットフードを出しっぱなしにしていませんか?
・赤ちゃんの頃から食べていたフードを切り替えたとたん食べなくなったりしていませんか?
総合栄養食は健康を維持するために作られているため、嗜好の追及を重要視しつつも栄養やバランスが優先されます。
しかし、間食はペットの嗜好を最も重要視されて作られていますので、ペットが喜ぶのは当然です。おやつが多く、総合栄養食をあまり食べない状態を長期に続けていると、栄養バランスが崩れてしまいますね。
フードを出したままは逆効果 |
食べないからと出しっぱなしにしていると、遊び食いをしてしまい、フードへの執着も低くなります。犬に食べ物への興味を引かせる環境を作ってあげるのも必要です。たとえば、犬は「自分のえさを取られるかも!」と思うと、取られないためにエサに食いつきます。そのため二匹目を飼うと改善されることも多くありますし、食欲のあるお友達の犬と同じ環境で食べさせてもいいでしょう。また同じ理由から、お皿に入れるフードの量を少量ずつにし、食べたら入れるというようにしても効果があります。
新しい食べ物は警戒される |
新しい食べ物は、警戒心の強い犬や猫にとって“リスク”とされます。なぜなら、今まで食べたことのないものには、体に毒になるものが含まれるかもしれないからです。いつもは食が細いのに、手で与えると食べるという場合は、親(犬)が与える物は安全なので、安心して食べるわけです。そのため、とりわけ月齢が若い子にこのようなことが多くあります。
えさを温めるのも効果的 |
犬も猫も同様ですが、とくに猫はエサを少し温めてあげると食欲の増進につながります。これは、犬は自分の体よりも大きい獲物を群れで狩る動物を祖先に持つため、食べきれなかった分を土に埋め、後で食べる習慣があるのに対し、猫は自分の体よりも小さい獲物を捕まえてその場で食べるため、いつも新鮮なものを食べる習慣があるためです。