手術となると、いろいろなリスクを心配される飼い主さんが多いと思います。
疾患があったり、高齢だったり…どんな時も心配は尽きません。
全てを網羅するのは難しいですが、今回手術を受ける上で心配な声が多い
「呼吸(肺)」「心臓」「メンタル(不安感)」のマッサージケアをご紹介します。
ワンコだけでなく、施術する側の飼い主さんにとっても気持ちを落ち着ける良い時間になると思います。
※長時間マッサージをする必要はありません。目安として時間を指定しているものもありますが、数秒でも充分な効果があります。長くても15分以内に終えるようにしましょう。
※犬に「痛気持ちいい」感覚はありません。あくまでも優しくマッサージしてください。
※術後は、獣医さんの許可が出るまでマッサージはしないでください。
炎症が起きている場合は例え患部に触れなくても体温が必要以上に上がる事でさらに炎症反応が起き、強い痛みや高熱が出る事があります。絶対にやめましょう。
肺・心臓へアプローチ
《 肩甲骨周りのマッサージ 》
ここには、重要なツボが並んでいます。
心臓・肺・心包の機能を良くするツボ:肺兪(はいゆ)・厥陰兪(けついんゆ)・心兪(しんゆ)
*マッサージ方法
前後に優しく摩ります。
可能なら2分程度がおススメです。
※心包とは東洋医学では「実態のない臓器」と言われ、心臓を包む膜とされています。エネルギーと血を通わせ、「心」を守る膜と言われています。
《 胸のマッサージ 》
ワンコは体重の6割を前脚に乗せているため、この部分の筋肉が緊張している事が多いです。
ここが固いと呼吸が浅くなってしまいます。
*マッサージ方法
肋骨の最初の隙間から2番目の乳首の辺りまで優しく摩って下さい。
《 後ろ足の外側のマッサージ 》
体全体の「気」を助け、痰が絡んで呼吸音がガラガラしているのを軽減してくれます。
*マッサージ方法
後ろ足の外側を膝から足首までくるくると円を描くように撫でます。
《 後ろ足内側のマッサージ 》
心臓にパワーを送ったり、守ったりしてくれると言われている肝臓の機能を強くしてくれるラインです。
*マッサージ方法
指で後ろ足の内側に沿って下向き、上向きに撫でます。
《 三陰交(さんいんこう)》
後ろ足の内側の☆印の場所にあります。
腎臓、肝臓、脾臓を強くするツボですが「血を増やす」効果もあるので手術前におススメのツボです。
傷口が完全に塞がり、抜糸を終えて獣医さんの許可が出たら術後もケアしたいツボです。
*マッサージ方法
15秒ほどゆっくりと指圧します。
《 太衝(たいしょう)》
後ろ足の内側で、つま先と足首の中間にあります。
全ての内臓器官を潤し、血の不足を補います。
イライラやストレスを緩和してくれます。
*マッサージ方法
優しく上に向かって指圧します。
メンタル(不安感を軽減する)へアプローチ
《 内関(ないかん)》
前足の内側で、足首のすぐ上の二本の腱の間にあります。
神経を宥め「気」の流れを正常にしてくれます。
ぐるぐる、ウロウロ歩いていたり、よく転ぶ時にも有効です。
*マッサージ方法
腱の間なので優しく指圧してください。
《 風池(ふうち)》
頭の後ろで、耳の下と背骨の間、首の両側の窪みの中にあります。
イライラしたり、ピリピリしている神経を鎮めてくれます。
*マッサージ方法
20秒程優しく指圧します。
次は、薬膳レシピ紹介です。
今回は、手術前、ヒート、産前産後におススメな「血とエネルギーを作る鰯と山芋のご飯」です。