私たち人間は、環境がもたらす様々な情報を五感で感じとり処理をしています。
その五感の能力の割合は、およそ「視覚(目)87.0%、聴覚(耳)7.0%、嗅覚(鼻)3.5%、触覚(皮膚)1.5%、味覚(舌)1.0%」といわれています。
*参照:『屋内照明のガイド』(照明学会編 電気書院 1980)より
視覚に判断を左右される割合が大きい私たちは、自分たちが見ている景色が犬たちにも見えていると勘違いして生活しているのではないでしょうか?
今回は、犬たちの視力と視野についてのお話です。
犬には、この世界がどのように見えているのでしょうか?一緒に想像していきましょう。
犬の視力は0.2~0.3
犬は、人に比べて視力が低く、焦点も合わせにくいと言われています。
一方、動体視力は優れており、人の4倍以上の能力があるとも言われています。
例えば、狩猟犬・ハウンド系の犬は、900mも離れた場所で動いているものを捉えることができるそうです。
犬が見える「色」
犬の目の網膜にある神経細胞は、人間の目に比べて色を感じる細胞が極端に少なく、白と黒のコントラストを感じる細胞が多くなっています。
そのため、犬の目には、モノや風景が白と黒の輪郭に淡い色がついているようにしか見えません。
また、人には、色を感じる錐状体があるため脳の中で7色を再現できますが、錐状体の数が少ない犬が知覚する色は、青と黄色およびその中間色に限られているようです。
【人】緑・黄色・オレンジに見える色彩 ⇒ 【犬】黄色っぽい色彩
【人】赤に見える色彩 ⇒ 【犬】暗いグレー
補足:犬の目の色は、瞳孔の大きさを調整する虹彩の色に依存しており、虹彩に含まれる色素の量によって黒から青まで様々な目になります。
夜は見えているの?
犬の目には、『タペタム』とよばれる光を集める組織があります。
それにより、夕闇の中でも比較的はっきりと物の輪郭を見ることができるのです。
(シベリアンハスキーなど、瞳の色がブルー系の犬の中には、タムペム層をもたないものがいるそうです)
写真を撮った時に赤く目が光った場合は ⇒ 網膜の後ろの毛細血管が反射している
写真を撮った時に緑に目が光った場合は ⇒ タペタムに反射している
どのくらい見えているの?犬の視界の広さ
犬の視野は、人よりかなり広く、そして遠くのものを見ることができます。
それは、犬の目が頭の左右にあり、人より離れているからです。
人の視野(目を動かして見える範囲)= 180~210°
犬の視野(目を動かして見える範囲)= 220~290°
動物種によって、視野が大きく異なります。
それは、生きていくために必要な視野情報の違いがあるからです。
いろいろな動物の視野を知りたい方は、下記サイトもご覧になってください。
画像参考:『動物の視野って、どのくらい?なんで違うの?』より
https://uto-uto.com/animal-angleofvision/
おもちゃの色をチョイス!
地面の色が「赤・オレンジ・黄・緑」のとき、よく見える色は ⇒ 青色
地面の色が「水色・青・紫」のとき、よく見える色は ⇒ 黄色
犬の目を知ることで、例えば散歩のときに遠くで動くものに気を取られたときは、飼い主が愛犬の動きを察知して危険を回避したり、おもちゃを選ぶときは、この色は見やすいのかな、と意識して選んでみてはいかがでしょうか。
*参考文献・サイト:
もっともくわしい犬の病気百科
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子犬の部屋(犬の目と視力・完全ガイド)
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