室内・室外によって使用するものは変わります。
今回は、室内作業について。
この記事を作成するにあたり、多くのブリーダー崩壊・多頭飼育崩壊現場に入り活動をしている千葉県市川市の動物愛度団体『Gundog Rescue CACI』のブログ「センターのガンドッグ」http://gundogtiba.blog21.fc2.com/blog-entry-3952.htmlを参考とさせて頂きました。
《 犬の室内多頭現場の場合 》
現場の糞便に毛が絡み、分厚い絨毯・フエルト状になっており、なかなか掘り起こせないことがあります。
また、表は乾いていても中は水を含みかなり湿っており、掘り進めていくと床近くは、ヘドロ状態と化しています。
①掘り起こし作業
【使用する道具】クワ・スコップ(大型・小型)・ヘラ
「クワ」で糞便の山を崩す人、「スコップ」で糞便をすくう人に分かれ作業をすると時間の短縮になります。
埋まっている大きなものは、最初から取り除こうとすると時間がかかるため、まずは掘り起こし作業からスタートします。
先端のとがったクワで 部屋の窓枠部分や柔らかい部分を探し出し、そこにクワを入れひっくり返すように始めます。
汚物の中には、金属・ガラス・空き缶・ビニール等も入っていることが多くあります。
ごみ収集のために、これらを必ず仕分けする必要があります。
ヘラ等は、階段や段差などについたものを取り除く作業に重宝しました。
②汚物の運び出し作業
【使用する道具】バケツ・ゴミ袋
2階建て以上の上階がある場合、袋に詰めた汚物を運び出すのは、女性にはきつい作業のため、「作業部屋」→「階段」→「室外」へと汚物をリレーで運び出し、「室外」でゴミ袋に入れる人たちがいるとスムーズに作業ができます。
このとき、役に立ったのが「バケツ」です。
使うバケツの数は、2階建戸建てでひと部屋に対して5個×部屋数と考えて用意するといいでしょう。
汚物を入れるゴミ袋は、2重にかさねあらかじめ沢山作っておくと便利です。
③ゴミ処理・衛生作業
【使用する道具】ブルーシート・布(古布・タオル・雑巾など)・モップ・ブリーチ(またはハイター)・ほうき・ちりとり
バケツの汚物をゴミ袋に移し替えるとき、汚物を散乱させないために、ブルーシートを敷いた上で行います。
また、水のはけが悪い場所では、汚物が水に濡れると溶けて大変なことになるため、いらない布で水けを吸った上にブルーシートを敷いて通り道にします。
できるだけ、現場を汚さないように作業をすすめていきます。
布類は、大量に用意して使い捨てにします。(作業効率があがります)
あらかじめつくったブリーチ(またはハイター)希釈液に浸し、水をたくさんふくんだ状態で絞っておきます。
モップは、作業の最後に消毒薬(ブリーチまたはハイター希釈水)をひたひたにして、ふき取るときに便利です。
ヘッド部分は、使い捨てにします。
④その他、用意する道具
【消石灰】
汚泥 糞を庭に埋めなければいけない場合に使用。
【すのこ】
壁の穴などの応急処置は、すのこを裏側にして使うと便利です。
この際、隙間のないものが役に立ちます。
現場での作業は、担当を決めてリレー方式での作業が一番効率的です。
《 担当分け 》
・各部屋の掘り起し担当:4畳~6畳の場合:3人位・10畳の場合:5人位
・階段担当:上から下へ・下から上への掘り起こし作業/汚物のバケツリレー
・バケツからゴミ袋に汚物を入れる担当
・ゴミを片付ける担当
・ゴミの仕分け担当
・物品を洗う担当
現場を引き受けるボランティアで一番困るものが出たゴミの問題です。
※糞便のゴミはほとんどがクリーンセンターに持ち込んでも引き受けてくれません。必ず保健所・市区町村役所・清掃局と話し合い、予めどうするか、また、有料の場合誰が支払うのか、を決めておく必要があります。
このゴミの所在をめぐりかなり揉めますので、きちんと話し合い決めておくことが
最もこの作業で重要な事と言えるかと思います。
ゴミ回収まで時間が必要な現場もあるため、糞便のゴミは、衛生・近隣の事も考え
必ず2重にします。
掃除のみ参加されているボランティアさんには関係のない部分ですが、どのような方法でゴミを回収するかもあるため、ゴミの仕分けをしていただけると助かります。
⑤作業が終わったら
【使用する道具】デッキブラシ
作業が終わったら、汚れた通路・道路などは、デッキブラシを使って水で洗い流し、最後にブリーチ(またはハイター)希釈水を撒いて終了です。
使った道具を洗える場所があれば、ブリーチ(またはハイター)希釈水を使って洗います。
(室外で水を使える場所があれば、高圧洗浄機はあると便利です)
犬猫の現場は、糞便に毛が絡みスコップで持ち上がらないほど汚物が繋がっています。
それを断ち切りながらの作業をしていきます。そして、水を使えないため、かなりの時間を有します。
1日で作業を終わらせる場合、汚れの多さにもよりますが、戸建て1軒の清掃で20人は必要になります。
脱水にならぬよう水分を取り、適度に休憩をしながら作業をする。
手を洗えない現場も多いため、手の消毒剤やペットボトルにブリーチ希釈水をつくり準備しておくと便利です。