飼い方

動物病院を探すときに考えたい点

動物病院を探すときに考えたい点

    


 初めてペットを飼った時や、土地勘のない場所へ引っ越した時、なるべく早くペットに合ったかかりつけの動物病院を見つけておくことが大切です。今回は、動物病院を探すときに考えておきたい点をいくつか挙げてみます。

できれば自宅近くが望ましい

 オリーブ動物病院(東京都国分寺市)の有薗浩見院長は、動物病院を探す場合、まず自宅からの距離は重要であるとアドバイスしています。

 「かかり付けの病院は近ければ近いほど、飼い主さんにもペットにも都合が良いです。徒歩圏内であれば短時間で病院へ行け、体調が悪いペットにとっては移動の負担が随分減ります。」

 徒歩圏内なら車の運転ができない人しかいなかった場合や、車が出払っている場合でも問題ありません。ペットの容体がかなり悪くてぐったりしている、発作を起こしている、意識を失っている、多量に出血している等、緊急時には病院までの距離すなわち時間が直接命に関わります。もちろん病院は中身が大事で、近さだけで選べばいいわけではありませんが、近くて良い医療を提供してくれる病院がベストであるということです。

 車で通院する場合、渋滞する道を通らずにすむアクセスの良い病院、そして駐車スペースが十分あるという点も、医療とは直接関係のないことではありますが重要な点です。 

病院の特徴を確認しておく

 通院可能な距離に複数の動物病院があった場合、各病院のHPで概要や特色を見てみましょう。獣医師が特に皮膚科に強いとか眼科に強い等、なんらかの専門分野を持たれている場合があります。

 「一次診療の病院では、獣医師すべてが専門分野を持っているわけではありませんが、中には持っておられる先生もいるので、電話や訪問をして直接尋ねてみるとよいでしょう。また、外科で手術などが得意な先生は、外科の土台となる内科についても詳しく、診断の目も確かですよ。」(有薗先生)

 HP情報だけで分からないことは、電話で問い合わせてみましょう。実際に行ってみると、よりその病院の感じがつかめるでしょう。

 往診に関しては、病院によって行っているところと行っていないところがあります。

 「往診の有無は通常は病院のHPに記載されています。当院の場合は獣医師2人態勢ですが、午後1時から4時を手術か往診の時間に充てています。緊急時には夜間対応もします。しかし獣医師1人だけの病院の場合、手一杯でできないところもあります。獣医師が複数いたり看護師さんがいるなど、ある程度の規模の病院であればやっていることが多いでしょう。」(有薗先生)

 夜間の緊急時、かかりつけ病院に電話をしても連絡が取れないということもあり得ますから、かかり付け病院とは別に、夜間・救急対応を行っている病院の連絡先も控えておき、場所と行き方を把握しておけばいざという時に安心です。

引越し先で新たに探すとき

 引っ越す前に新居周辺の動物病院を確認しておき、候補を挙げておくとよりスムーズでしょう。ペットの具合がいつ悪くなるかもしれず、その時になってから慌てて探すのも失敗の元になります。

 特に、料金については病院ことにばらつきがあるため、事前確認しておくほうが無難です。料金が高すぎたり、不要な治療、投薬を勧められたりしないかなど、あらかじめ注意が必要です。

 「引越し先ではなるべく早く犬友や猫友を見つけて、彼らの通院している動物病院の情報を直接教えてもらうのが一番ですよ。」(有薗先生)

 ペットがすでに通院治療をしていた場合は、引越し先の動物病院で継続治療をすることになります。その場合、引越し先の地域にある病院を直接紹介してもらえることもありますが、それができない場合でも、通院していた病院で診療の経過報告書を貰っておけば、次の病院の先生によりスムーズに治療を引き継いでもらうことができます。

動物病院をほかに変えたいとき

 引越し以外の理由で、かかり付け病院を変えることもあり得ます。多い理由の一つに、今の病院で治療しているがなかなか治らないということがあります。この場合は、より専門的で高度な治療を行う二次診療の病院をかかり付け病院で紹介してもらったり、通院圏内でどういう施設があるのかを教えてもらうことができます。

 「セカンドオピニオンを希望する人は増えています。現在の治療で完治しない、原因がよく分からないというような状況のとき、二次診療を行う専門病院で意見を聞きたい場合は、一次診療を行うかかり付け病院で適切な病院を紹介してもらってください。専門病院では、一般の病院より精密な検査や高度な治療を受けることができます。おもな施設としては、獣医大学付属の大学病院や高度医療センター、一般の専門病院などがあります。」(有薗先生)

 地域によっては高度医療を行う二次診療病院が無い場合もあるかもしれませんが、インターネットで全国の二次診療病院の検索もでき、通院圏内でどういう病院や施設があるのかをあらかじめ調べておくと安心です。首都圏や大都市以外の地域では、おもに獣医大学の大学病院となるでしょう。

 ペットは自分で病院を選べず、体調不良を伝えることもできません。飼い主さんがペットになり代わって、可能な限り、腕が良く、信頼できる動物病院を探してあげてください。

取材協力:オリーブ動物病院(東京都国分寺市)http://www.olive-ah.com/index.htm


 
アバター

goron

投稿者の記事一覧

GORON スタッフ

関連記事

  1. 犬を飼っていない人の立場で考えてみると
  2. ペットと夏を乗り切る
  3. 猫のしつけとケア 第5回 猫にアロマは危険!
  4. 犬の食習慣・猫の食習慣を理解しよう!
  5. 子供と犬を守るために 乳児とゴールデンレトリバーの事故を考える …
  6. ペットの複数飼いの楽しさ、大変さ – 前編
  7. 犬と猫など異種ペットを飼うには? 前編 – 注意点…
  8. 仔犬の学び力は、乾いたスポンジ

今月の人気ランキング

PAGE TOP