トラブル

ペットのトラブル対処法 第3回 アウトドア編 〈 ペットがヒアリに刺されたら 〉知ってほしい「散歩中に気をつけること」

ペットのトラブル対処法

第3回 アウトドア編
〈 ペットがヒアリに刺されたら 〉

知ってほしい「散歩中に気をつけること」

    


 

 

2017年5月、兵庫県尼崎市で国内初めて発見された特定外来生物であるヒアリ(Solenopsis invicta)。
その後、兵庫県神戸市・愛知県弥富市・大阪府大阪市、そして東京都大田区と港湾区域にて相次いで確認され、7月に入り愛知県春日井市・茨城県陸前高田市の内陸部でも確認されています。
いずれも発見された個体は殺虫処分、発見場所の消毒処理や防除をされ、環境省と関係機関で周辺の調査と防除を実施しています。
【参考】環境省ホームページ http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/fireant.html
 
ヒアリは、攻撃性が強く危険を感じると集団で攻撃をしてきます。そして、刺されると体質によってはアナフィラキー・ショックを起こす恐れがあるアリです。
環境省より、現時点では、ヒアリが日本の当該地域周辺に定着し繁殖している可能性は低いと考えられると発表されていましたが、内陸部でのヒアリ確認のニュースに、心配になった方も多いと思います。
 
今のところ愛犬や愛猫がヒアリに刺されることを過度に心配することはありませんが、
・ヒアリとはどんなアリなのか?
・在来種アリとの見分け方は?
・散歩中に気を付けることは?
また、ペットがヒアリに刺された時に
・どんな症状になるのか?
・その対応方法は?
など、参考にしていただける内容をまとめました。

 

ヒアリとはどんなアリなのか? ~ヒアリの生態と毒性

ヒアリ(別名:アカヒアリ 学名:Solenopsis invicta)
     ・南米原産で亜熱帯~暖温帯に生息
     ・赤茶色の小型のアリで体長は2.5~6ミリと大きさにばらつきがある
     ・草地など比較的開けた環境を好む
     ・土で直径 25 ~60 cm、高さ15~50 cm のドーム状のアリ塚を作ります
 
毒性が強く、刺されると火傷のような激しい痛みが生じ、アレルギー反応により死に至ることもある。
外来生物法により「特定外来生物」に指定されていますが、貨物等に紛れて気付かないうちに持ち込まれ、中国や台湾など環太平洋諸国に分布が急速に拡がっています。

 

在来種アリとの見分け方

色や大きさなど見た目の違いもありますが、ヒアリが在来種のアリと大きく異なるのは、ドーム状のアリ塚を作ることです。
日本にいる在来種アリは、地中に巣を作るだけでアリ塚は作りません。
不自然な盛り土があって、アリの巣があったら、速やかにその場を離れましょう。もし巣を踏んだりしたら集団で襲われることもあります。

 

散歩中に気を付けること

地面をくんくん嗅いだり、草むらに頭を突っ込んだり、虫を追ったりする犬。
気付かないうちにヒアリを刺激して、刺されてしまう危険もあります。
 
散歩中、まず気を付けることは、
     ・ヒアリが発見されている場所を避ける。
     ・飼い主が注意して地面を観察して、異変に気付いたらすぐにその場を離れる。

 

刺された時の対処法 ~ペットの様子はどうなる?

ペットが、ヒアリに限らず毒をもつ虫(ムカデ・ハチなど)にさされたりたとき、その痛みやかゆみによる不快感を解消するために
     ・地面を転がる
     ・震える
     ・患部を舐めたり噛む
といった行動をします。
 
こうした行動が見られた時、まずは体に虫や異物や傷などがないかを確認しましょう。
そして刺されたり噛まれたりしていたら(患部に赤みや腫れ)
     ① まずその場をすぐに離れる → 仲間のヒアリが襲ってくることがあるため
     ② タオルなどを使って、ヒアリを払いのける(何もなければ素手で)
     【注意!!絶対にやってはいけないこと】
     水や熱湯などをかける→驚いたヒアリが強く刺してくる恐れがあります。
     ③ 動物病院で獣医師の診断を受ける

 

刺された時の症状

刺された場合の症状は、軽度から重度まで様々です。
《軽度》の場合:刺された部分のかゆみや軽い痛み
かゆみを抑える処置をして、包帯や靴下などでカバーし、患部を舐めたり噛んだりしないようにする。
《中度》の場合:じんましん
刺されてから数分から数十分間で腫れが広がり、部分的もしくは全身にかゆみをともなうじんましんが現れる。
《重度》の場合:アナフィラキシーショック
アレルギーのあるペットは、刺されてから12時間以内に症状を起こすことがあります。
処置が遅れると命の危険があります。顔面の腫れや呼吸困難・ふらつきなどが見られたら、すぐに動物病院に連れていってください。
 

 
最後に、在来種のアリは、ヒアリの繁殖を防ぐ存在です
270種以上いる日本在来のアリが生態系の中で重要な役割を担っています。
したがって、全てのアリを駆除してしまうことは、日本の生態系を崩してしまう恐れがあるため、ヒアリに似たアリを見つけ駆除を考えたときは、最寄りの環境省の地方環境事務所や都道府県にご相談ください。
*環境省の地方環境事務所一覧 https://www.env.go.jp/region/index.html
 
【参考にしたサイト】
環境省ホームページ:ヒアリについての諸情報について
http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/fireant.html
東京環境局ホームページ:気をつけて!危険な外来生物
http://gairaisyu.tokyo/species/danger_15.html
 

2017年7月21日掲載

 

ペットのトラブル対処法 第2回
アウトドア編〈ムカデに噛まれたら〉

吉川 奈美紀

吉川 奈美紀

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(きっかわ なみき)

ヨガ・ピラティス・空中ヨガ インストラクター
メディカルアロマアドバイザー

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