好奇心旺盛で動く虫に反応し遊びだす愛犬や愛猫、害のない虫ならばまだしも、蜂を追いかけたりムカデに手や口を出す様子に慌てた経験のある飼い主さんも多くいらっしゃるのではないでしょうか?私自身、旅先で愛犬が誤ってムカデを踏み噛まれてしまい、大慌てで対処法をウェブ検索した経験がありました。
そこで今回は、ペットがムカデに噛まれたときの症状と役に立つ対処法・治療を紹介します。
ムカデの種類と毒性
ムカデは、日本だけでも約130種が確認され、その中で人やペットに危害を加えるのは「トビズムカデ」「アオズムカデ」「アカズムカデ」「オオムカデ」です。
寿命は6~10年、大きい個体で体長20cmに成長するムカデもいます。
ムカデは、湿気がありジメジメした場所を好み、5月~夏場にかけて繁殖が盛んです。
室内では洗面所やお風呂場に好み、屋外にもいます。
毒性は、ムカデの種類によっても異なりますが、毒の成分には蜂の毒に似たセロトニンやヒスタミンが含まれています。
噛まれた時の症状
【 激しい痛み 】
ムカデのヒスタミンやセロトニンなどの成分が入った強力な毒が体内に入ると、激しい痛みが発生し、傷口が赤く腫れてしまいます。
【 アナフィラキシーショック 】
激しい痛みだけでなく、毒の成分によってアナフィラキシーショックが発生する場合もあります。特に2回以上噛まれると、ショック症状が発生しやすくなります。
アナフィラキシーショックの症状は、めまいや嘔吐、頭痛、呼吸困難、血圧の低下などがあります。
噛まれた時の対処法
① お湯で洗い流す
ムカデの毒は「タンパク質=熱に弱い」ので、噛まれたらすぐ43度~46度の熱いお湯で、傷口を5分以上洗い流してください。
温度が下がると毒の酸素活性が増えて余計痛みがでてしまうので、溜めたお湯ではなく、シャワーで洗い流すようにしましょう。
弱酸性以外の石鹸やシャンプーで洗い流すと、より効果的です。また、外出中でシャワーが使えない場合は、熱いお茶で代用します。
② 病院へいき獣医師の診断を
・静かに熱いお湯で洗い流すことが難しいペットも多い
・アナフィラキシーショックを発症してしまうことがある
などのことから、応急処置をしたらできるだけ早く獣医師の診断・処置を受けましょう。
早めに解熱鎮痛剤(ステロイド)の注射を接種することが、痛みの軽減に効果的です。
注意!!絶対にやってはいけないこと
ムカデの毒は適切な方法を取れば大丈夫ですが、間違った対処法を取ると余計危険が増してしまうので、気をつけなければいけません。
*傷口を冷やさないで!
ムカデの毒の場合冷やすとより痛みが増し、最悪、体が痙攣したり気絶してしまう恐れがあるので、絶対に傷口は冷やさないようにしてください。
*傷口をつねって毒を絞り出さない!
より毒を浸透させてしまうことになるので厳禁です。
ムカデはどこにでも出現するので、気づかないままムカデに噛まれることは珍しくありません。
もしムカデを見かけたら、触らない!そして早めに駆除をしましょう。
また、万が一噛まれてしまったときは、落ち着いて対処しましょう。
飼い主さんが落ち着いていれば、きっとペットたちも安心できます。