健康・病気

犬のてんかんは早期治療が大切

犬のてんかん(発作性発作)は、神経系の異常によって引き起こされる発作です。
一般的にてんかん発作とも呼ばれ、脳の異常活動が原因で発生します。
まず、種類や原因、症状や注意することについて知っておきましょう。

  1. 発作の種類:

    • 部分発作(部分てんかん): 特定の脳領域で発生する。犬が不自然な行動をすることがあります。
    • 全般発作(全般てんかん): 脳全体にわたって発生し、筋肉のけいれん、失神、舌をかむことがあります。
  2. 原因:

    • 特定の原因がない場合(特発性てんかん): 多くの場合、てんかんの原因は不明です。
    • 脳の異常(病的てんかん): 脳腫瘍、脳炎、脳出血などが原因で発生することがあります。
  3. 発作の症状:

    • 突然のけいれんや攻撃的な行動
    • 呼吸の乱れや異常な舌の動き
    • 失神や異常な行動
  4. 診断と治療:

    • 診断は臨床的な観察や神経学的検査に基づいて行われます。
    • 薬物療法が一般的で、対症療法やてんかんの予防のための薬が使用されます。
  5. 注意すべきポイント:

    • 犬がてんかん発作を起こすと、安全な場所に移動させ、周囲のものを取り除いて怪我を防ぎます。
    • 発作が続く場合や犬が意識を回復しない場合は、すぐに獣医師に連絡してください。

犬のてんかんは管理が難しく、発作が続くと神経系の損傷が進む可能性があるため、早期の診断と治療が重要です。
症状が見られる場合は、獣医師に相談し、適切な検査と治療を受けるようにしてください。

てんかんはどんな犬にも起こる可能性のある病気ですが、
ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、ビーグル、シェットランド・シープドッグ、ボーダー・コリー、プードルなどが特にかかりやすいといわれている犬種です。

犬のてんかんの部分発作の症状は?

今回は、部分発作(部分てんかん)について、お話をしていきます。
部分てんかんとは、脳の特定の部分で発生するてんかんの一形態であり、発作が脳の一部に制限されています。
さまざまな症状を引き起こすことがある部分てんかんの一般的な症状の様子をお伝えします。

  1. 感覚異常:

    部分てんかんでは、感覚異常が起こることがあります。例えば、異常なにおいや味覚、または異常な感触を経験することがあります。
  2. 運動異常:

    発作が特定の運動部分に影響を与える場合、筋肉のけいれんや異常な動きが見られることがあります。犬が突然ジャンプする、足を引きずる、またはぐるぐる回るなどがその例です。
  3. 自動症状:

    犬が発作中に自動症状を示すことがあります。これは、犬が無意識のうちに自動的な行動をすることで、周囲の刺激に反応しないことがあります。
  4. 行動の変化:

    犬が異常な行動を示すことがあります。興奮や攻撃性が増すことがあり、通常の行動と異なる行動パターンが観察されることがあります。
  5. 意識の変化:

    部分てんかんは意識の変化を引き起こすことがあります。犬が鈍くなる、無反応になる、または意識を失うことがあります。

これらの症状は個々の犬によって異なり、部分てんかんの種類によっても異なります。
部分てんかんが疑われる場合は、獣医師に相談し、適切な検査と診断を受けることが大切です。
診断後は、薬物療法やその他の治療法が検討され、犬の管理が行われることがあります。

部分発作(部分てんかん)の治療方法

部分てんかんの治療方法は、犬の具体的な症状や発作の原因によって異なります。
一般的な部分てんかんの治療方法をご紹介します。

  1. 抗てんかん薬の使用:

    部分てんかんの治療には、抗てんかん薬が一般的に使用されます。これらの薬物は発作を抑制し、脳の神経活動を安定化させることを目的とします。獣医師が適切な薬物を選定し、適切な投与量を調整します。
  2. 定期的なフォローアップ

    獣医師による定期的な検査とフォローアップが必要です。発作の頻度や薬物療法の効果をモニタリングし、必要に応じて治療計画を調整します。
  3. 特殊な食事療法

    • 一部の犬では、特殊な食事療法がてんかんの管理に役立つことがあります。特にケトン体を増加させる食事がてんかんの制御に役立つことが報告されています。
  4. 生活習慣の管理

    適切な生活習慣の確保も重要です。規則正しい食事、十分な休息、運動、適切なストレス管理がてんかんの管理に寄与します。
  5. その他の検査や治療

    発作の原因が特定された場合、原因に対する適切な治療や手術が検討されることがあります。これには脳のMRIなどの画像検査が含まれます。

治療法は犬の個体差や発作の症状によって異なるため、飼い主は獣医師との連携が重要です。発作の頻度や症状が安定していない場合、すぐに獣医師に相談するようにしましょう。

てんかんの制御するためのケトン体を増加させる食事とは?

ケトン体を増加させる食事は、高脂肪・低炭水化物・適量のタンパク質から成る食事プランです。
この食事法は「ケトジェニック・ダイエット」として知られており、てんかんや特定の神経系障害の治療に利用されることがあります。

ケトン体は、脂肪が代謝される過程で生成される代謝物質であり、脳のエネルギー源として利用されます。ケトジェニック・ダイエットにより、体内のケトン体濃度が上昇し、これがてんかんの発作を抑制するとされています。

一般的なケトジェニック・ダイエットの特徴をご紹介します。

  1. 高脂肪:

    脂肪が摂取カロリーの大部分を占めます。
    アボカド、オリーブオイル、ココナッツオイルなどの健康な脂肪源が重要です。
  2. 低炭水化物:

    炭水化物の摂取を制限します。
    これにより、体は脂肪をケトン体に変換してエネルギーを得るようになります。
    砂糖や穀物、芋類などの炭水化物が制限されます。
  3. 適量のタンパク質

    タンパク質の摂取量は適度に保たれます。
    過剰なタンパク質はケトン体生成を妨げる可能性があるため、適量を摂取することが重要です。

このダイエットは厳密な管理が必要であり、通常は医師や栄養士の指導のもとで行われます。
特に犬に実施する場合は、獣医師の指導を受けながら行ったほうがよいでしょう。
犬の健康状態や特定の病態によっては適さない場合もあるため、取り入れるためには十分な検討と注意、管理が必要です。

犬のてんかんは治りますか?

てんかんは一般的に完治することは難しく、慢性的な状態であることが多いです。
ただし、適切な管理と治療によって、多くの犬は発作の頻度を減少させたり、発作をコントロールすることができます。
てんかんの治療目標は、発作の頻度を減少させ、犬の生活の品質を向上させることです。

吉川 奈美紀

吉川 奈美紀

投稿者の記事一覧

(きっかわ なみき)

ヨガ・ピラティス・空中ヨガ インストラクター
メディカルアロマアドバイザー

関連記事

  1. ペットと私のエンディングノート
  2. 犬と猫の五感シリーズ 3『聴覚』
  3. ゆるっとワンコ薬膳のススメ 第7回 ~五臓のお話  『肝』~ 《…
  4. ゆるっとワンコ薬膳のススメ 〜 パグ脳炎とてんかんのケア 〜 《…
  5. シニア犬との暮らしよもやま話 ~パピー犬をむかえた暮らし~
  6. ペットのトラブル対処法 第5回 アウトドア編 〈 ヘビに咬まれた…
  7. ゆるっとワンコ薬膳のススメ 〜お腹をしっかり整えて年越ししよう〜…
  8. ゆるっとワンコ薬膳のススメ 〜東洋医学を使ってシニアケア「老犬の…

今月の人気ランキング

PAGE TOP