気質(体質)を知ることができたところで、それぞれのケア方法をご紹介します。
肝の気が強いワンコ(人)のケア
肝の気は、筋肉の働きと深く関わっています。
筋肉を使い過ぎたり、歩き過ぎたらしっかりと体を休めてあげる事が大切です。
肝の気が強いワンコや人は肉体疲労や睡眠不足がメンタルに影響しますので、しっかりと体を休める様にしましょう。
また、強い風に当たっていると心身を消耗する事があります。
風の強い日のお散歩は軽めにしてあげる、あまり風の当たらない場所を歩くなどしてケアしてあげてください。
〈 肝の強いワンコにおすすめなツボマッサージ 〉
今回は五臓それぞれを助けたり、抑えたりする「相生、相克」の関係のツボやマッサージを使います。
「肝」の暴走を抑えるのは「肺」ですので、肺のツボのある肩甲骨の間をマッサージします。
「心」の気が強いワンコ(人)のケア
このタイプは暑さに弱く、心身を消耗してしまう事が多いです。
暑さが厳しい夏は特にお散歩時間や気温、湿度に注意して、早朝や夜のお散歩でも暑さ対策をしっかりしていくのがおススメです。
「心」のパワーが強いワンコ(人も)は視覚から情報を集めすぎてしまうと言われています。
ワンコが疲れている時もですが、例えば「今日、ちょっとこの子が苦手な場所に行かないといけない」「どうしてもあの混んでいる道を歩いて通過しないと…」という時にはカートに乗れるワンコならカートのルーフを閉めたり、カートに乗れないワンコならお顔にタオルをかけて視界を制限してあげると心身の疲労を軽減出来ます。
「ほっかむりもイイよ!」
「濡らすと暑さ対策にもなるしね。」
飼い主さんも、集中して視覚を使った時はいつもよりしっかりめに休んで心身を回復させてくださいね。
〈 心の強いワンコにおすすめなツボマッサージ 〉
体側のマッサージです。
「心」の働き過ぎを抑えるのは「肝」です。
体側には肝の経絡が走っており、ここを優しく皮膚を揺らす様にマッサージする事で肝の流れを良くして心のバランスを正常にします。
※この経絡は強いストレスを受けたり、トラウマがあるなどで触れられる事を嫌がるワンコにも使えます。その場合は1〜2秒のタッチから始めて、様子を見ながらマッサージの時間を伸ばしてあげてください。
「脾」の気が強いワンコ(人)のケア
このタイプは湿気に弱く、ジトジトした環境が苦手です。
体も心も重くなり、動くのも億劫になってしまいます。
体調の良い時は余分なエネルギーや水分を代謝して追い出すのが得意なタイプですので、普段から胃腸ケアを心がけてあげてください。「調子が悪いかな?」と思ったら油、脂の多いものは避け、ご飯も1割程度減らしてあげると良いです。適度に体を動かすのも脾の気が強いワンコ(人も)にはとても良いケアになります。
※酷暑ですので無理せず……
〈 脾の強いワンコにおすすめなツボマッサージ 〉
ツボ:心兪(しんゆ)
脾を助けてくれるのは働きを抑える相克ではなく、パワーを送ってくれる心です。
心のツボの心兪は背骨の両側で、4番目と5番目の肋骨の間の☆印の辺りにあります。
心臓のエネルギーを整えるのに役立ちます。
心臓疾患にもおススメです。
手のひらをツボに当てて、ゆっくり前後に動かします。
「脾」の気が強いワンコ(人)のケア
乾燥に弱いタイプですので、あらかじめ「蓄える」事が得意な気質です。
特に水分を摂取し過ぎてしまうと体は乾燥に備えて殆どを備蓄にまわしてしまい、浮腫みやすくなってしまいます。
メンタルの方も同様で、ストレスを溜め込んだり、悲しみや心配などを溜め込んで「憂い」の状態になる事もあります。
このタイプは水分は撮りすぎない様にして、適度に運動して発散させてあげてください。
※ワンコが自らお水を飲む分体が求めており、本能に従っているだけなので大丈夫です。無理に制限をしないで下さい。
そもそも肺の気が強いワンコはあまりお水を飲まない子が多いです。
〈 肺の強いワンコにおすすめなツボマッサージ 〉
脾愈(ひゆ)
肺のケアは働きを抑えるのではなく、パワーを与えて助ける脾の力を借ります。
胃腸の働きを高めて消化を良くし、内臓バランスを整える脾愈のツボを使います。
肋骨を下から数えて2番目と3番目の間の☆印の所にあります。15秒ほど優しく指圧してください。
「腎」の気が強いワンコ(人)のケア
寒さに弱いワンコ(人も)が多いので、体を冷やさない事が心身のケアになります。
寒い冬もですが、夏の冷房による冷えにも注意が必要です。
暑さ対策と両立するのはなかなか大変ですが、家の中で過ごす時はクールウェアでOKなのでお洋服を一枚着せてあげたり、氷水などは控えめにしてあげる事で秋冬の冷え、浮腫み体質になります。
このタイプは怖がりさんが多いです。
怖がっている時は腎の気がある下腹を優しく撫でてあげてください。
飼い主さんは心が不調の時は下腹にグッと力を入れて凹ませて腎の気を体に流してあげてくださいね。
横になって体を休めるのも大切です。
〈 腎の強いワンコにおすすめなツボマッサージ 〉
脾愈(ひゆ)
今回大活躍のツボですね。腎の働きすぎを抑え、恐れや驚きを和らげる相克関係にある脾愈は冷静な分析力を与えてくれます。
肋骨を下から数えて2番目と3番目の間の☆印の場所にあります。
指圧のやり方は同じで、15秒ほど優しく指圧します。