今回紹介するワンコ薬膳レシピは、体調が安定し退院した次の日の夜に小桃に食べてもらったご飯レシピです。
結石予防に必要な「茹でこぼし」の工程も加えてありますので気になる方は実践してみてください。
** ワンコ薬膳レシピ紹介 **
〜豚肉とカリフラワーで気血チャージ!小桃のリカバリーご飯〜
〈 材料 〉1食分
豚肉…75g
炊いたご飯(白米)…50g
カリフラワー…13g
ニンジン…13g
サツマイモ…12g
大根…12g
※分量は10kgの成犬を基準にしています。
手作りご飯の分量の目安は「手作りご飯の換算指数表」を参考に、その日の体調や様子で調整してください。特に術後はいきなり普段の分量ではなく、少しずつ与える「おかわり方式」で様子を見ながら食べさせて下さい。
※写真は具材がわかりやすい様に大きめに切ってあります。
実際に与える時は細かく切るか、ハンドブレンダーなどでトロトロにしてあげると消化でかかる負担を減らす事が出来ます。
※術後はドッグフードでもふやかすなどして、体のエネルギーを傷を治す事に使える様にしてあげるのがおススメです。
〈 下準備 〉
・大根、ニンジン、サツマイモは皮を剥く。
※よく「サツマイモは皮ごとが良い」とされていますが、ワンコは消化できない子が多いので剥いた方が良いと思います。
・具材は全て「ウチの子が食べやすいサイズ」に切り分けておく。
〈 茹でこぼし 〉
茹でこぼしとは、材料のアクや渋みなどを抜くために材料を茹でて煮汁を捨てる事です。
ワンコのご飯の場合はシュウ酸やリンなどの成分を減らし、結石などのリスクを減らす事が期待できます。
大根、ニンジン、サツマイモをお鍋に入れ、たっぷりのお水で煮ます。沸騰して2分経ったらカリフラワーを入れ、1分ほど茹でたら煮汁を全て捨ててください。
※手順は茹でこぼしした場合のものです。
〈 手順 1 〉
お鍋に大根、ニンジン、サツマイモを入れ、具材がしっかり泳ぐくらいお水を入れて火にかけます。
〈 手順 2 〉
〈手順1〉に火が通ったら豚肉を入れ、更に加熱します。
〈 手順 3 〉
〈手順2〉に火が通ったらカリフラワーと炊いたご飯を入れ、一煮立ちさせます。
〈 手順 4 〉
火を止め、冷まして盛り付けたら出来上がり。
薬膳豆知識 食材の効能をご紹介
「 豚肉 」
腎を養って精力を高めてくれます。
病中病後、手術の後の体力回復や虚弱体質の改善に適しています。
血を増やす作用と体を潤す作用があり、手術で失った血の補給、空咳や肌の乾燥、水分不足による便秘の改善も期待できます。
「ご飯(白米)」
活動のエネルギー源となる炭水化物を豊富に含み、入院と手術で消耗した体を立て直す元気を与えてくれる食材です。
消化吸収機能を回復させてくれる他にもイライラ、不眠を和らげると言われています。
※ワンコは玄米の消化は苦手ですので白米で。
「カリフラワー」
カリフラワーはキャベツを改良した野菜で、胃の働きを良くして元気な体を作る作用があります。
豚肉と組み合わせる事で疲労回復効果が高まり、手術で疲れた体を癒してくれます。骨や筋肉を強くする効果も期待できます。
「ニンジン」
手術で失った血を養い、増やしてくれます。
免疫力アップ、疲労回復効果もあります。
「食べる目薬」と言われるくらい目に良い食材で、ドライアイや夜盲症の予防、改善も期待出来ます。
「大根」
ワンコ薬膳では優秀なレギュラー選手ですね。
胃腸の調子を整えて消化を促進して気を巡らせてくれます。
体内の余分な熱をとってくれるので小桃の体が熱っぽかった時は少し多めにご飯に入れました。
お腹の張りや浮腫が気になる場合にもおススメです。
「サツマイモ」
気を補い、お米と組み合わせる事で胃腸の調子を整える効果が高まります。
体を温めも冷ましもしない性質なので、多くの体質に合います。
食欲を高める効果もあります。
【 ワンコの手作りごはんの換算指数表 】
愛犬にあったご飯の分量の計算式です。
(ご紹介しているレシピは、換算率1(成犬維持期)の体重10kgで計算した分量です。
例 )
3歳体重10kgのワンコの場合
「ライフステージ別換算指数」=1
「体重別換算指数」=1
・炊いた米の計算式
50×1(ライフステージ別換算指数)×1(体重別換算指数)=50g
・お肉やお魚の計算式
75×1(ライフステージ別換算指数)×1(体重別換算指数)=75g
・野菜の計算式
50×1(ライフステージ別換算指数)×1(体重別換算指数)=50g
「ライフステージ別換算指数」
成長期 (生後3〜6ヶ月) 換算率「 2 」
成長期後期(生後6〜12ヶ月) 換算率「 1.5 」
成犬維持期(生後1〜7年) 換算率「 1 」
高齢期 (生後7年目以降) 換算率「 0.8 」
「体重別換算指数」
1 kg: 0.18 2kg: 0.30 3kg: 0.41 4kg: 0.50 5kg: 0.59
6 kg: 0.68 7kg: 0.77 8kg: 0.85 9kg: 0.92 10kg: 1.00
11kg: 1.07 12kg:1.15 13kg:1.22 14kg:1.29 15kg:1.36
16kg: 1.42 17kg:1.49 18kg: 1.55 19kg:1.62 20kg:1.68
21kg: 1.74 22kg:1.81 23kg: 1.87 24kg:1.93 25kg:1.99
26kg: 2.05 27kg:2.11 28kg: 2.16 29kg:2.22 30kg: 2.28
31kg: 2.34 32kg: 2.39 33kg: 2.45 34kg:2.50 35kg: 2.56
36kg: 2.61 37kg: 2.67 38kg: 2.72 39kg:2.77 40kg: 2.83
手術となると、若いワンコでももちろんですが、高齢犬ともなると更にリスクが高まりますので心配が尽きないですね。
我が家が小桃の手術を決断したのは結石が急激に大きくなった事に加え、小桃をよく知るかかりつけの先生から「この手術をするなら小桃ちゃんの年齢と体力を考えたら今くらいがリミットだと思います。」と背中を押して頂いた事が大きかったです。
もしも愛犬さんが高齢なのに手術をする事になったら…先ずは病院の先生とよく相談をして、話し合う事が大切だと思います。
「どうしよう…」と1人で迷っていると、ついついインターネットで検索してしまいますよね。
情報は大切ですし、調べる事ももちろん大切ですが、迷いや不安があるとついつい怖い情報やネガティブな話に目が行きがちになります。
知らない誰かが発信してる情報には翻弄されず、1人で悩まず、必ず担当の獣医さんと話し合い、必要ならセカンドオピニオンをして下さいね。漢方や鍼灸も助けになります。
どうか、より良い方向に行けます様に。
「みんなが穏やかに過ごせますように」