秋は、犬にとって一番過ごしやすい季節です。
食欲も増してきますが、肥満を予防するために食べさせすぎに注意しましょう。
犬の生活習慣病の多くは、肥満に関係しています。
肥満が引き起こす病気には、次のようなものがあげられます。
・糖尿病
エネルギー摂取とインスリン分泌バランスが崩れて生じる病。
膵臓に負荷がかかり、機能が破壊されることがあります。
・脂肪肝
過剰な脂肪が、肝臓に蓄積されておこる病。
・変形性関節症
過剰な体重が関節に負荷をかけ変形をおこします。
歩くことで変形した関節に痛みが生じ、痛みのために動かなくなる。
動かなくなることで、関節の変形と体重が増すという悪循環におちいります。
加齢とともに進行をする病です。
・椎間板ヘルニア
肥満によって内臓脂肪がつくことで、地面と水平になっている背骨の中心部分が垂れ下がるように曲がる傾向があり、その部分に椎間板ヘルニアが起こりやすくなります。
・気管虚脱
背骨と同じく気管も地面に水平になっている犬は、脂肪が増えすぎることで気管が圧迫され気管が細くなります。
この状態が「気管虚脱」で、呼吸困難や咳を引き起こしやすくなります。
加齢とともに細胞が弱くなるため、シニアになるほど起こしやすい病です。
・心不全
体重の増加に伴い、血液もたくさん作られるようになります。
それに対して、心臓の大きさは変わらず、たくさんの血液を全身に送るために心臓への負荷が大きくなります。
・消化器疾患
内臓脂肪が増えることで腸の動きが低下して便秘や下痢などを起こしやすくなります。
*参考文献:イヌ・ネコ家庭動物の医学大百科
犬の肥満は、人との同じく食生活の習慣から生じます。
次に、肥満に対する対策の仕方を一緒に考えましょう。
犬の肥満チェック方法
犬は、犬種によって体長(人でいう身長)が大きく異なるため、適正体重を数値で示すことが困難です。
肥満をチェックする方法は、目視と犬の体に触れ体系を確認することです。
① 肋骨の確認
犬の胸部に手のひらをあてて前後に動かします。
皮膚の下に肋骨が確認できれば、理想的な体系の範囲内です。
肋骨を確認できなければ、肥満です。
② 骨盤の確認
犬の腰部分に手のひらをあてて前後に動かします。
皮膚の下に骨盤(腸骨)が確認できれば、理想的な体系の範囲内です。
骨盤(腸骨)を確認できなければ、肥満です。
③ 目視での確認
肋骨や骨盤が浮き出している状態は、痩せすぎです。
肥満の原因は、人と同様で食べすぎと運動不足です。
食事のコントロールと適度な運動が、何よりの肥満対策!生活習慣病の予防につながるのです。