乗馬をしていると、「春になると急に落ち着かなくなった」「いつもより集中してくれない」と感じることはありませんか?
春は馬にとって大きな変化の季節です。冬毛が抜け始めたり、活動量が増えたりするだけでなく、体の内側でもさまざまな変化が起こっています。
その中のひとつが、牝馬の「フケ(発情)」です。
普段あまり意識しない言葉かもしれませんが、馬の行動や様子を理解するうえでは、知っておくと役立つ大切な体のリズムでもあります。

春になると牝馬の様子が変わる理由
馬は季節の影響を受ける動物です。
特に春から夏にかけては日照時間が長くなります。この変化を体が感じ取り、ホルモンの働きにも影響が出てきます。
野生で暮らしていた馬は、子馬が育ちやすい時期に出産できるよう、繁殖のタイミングを季節に合わせる習性を持っていました。
そのため現在の馬たちにも、春になると繁殖に関係した体の変化が現れることがあります。
牝馬のフケ(発情)とは?
フケとは、繁殖に関わる周期的な体の変化のことです。
一定のサイクルで訪れ、その期間中は体だけでなく行動にも変化が現れる場合があります。
ただし、すべての牝馬が同じ反応をするわけではありません。
ほとんど変化が見られない馬もいれば、周囲から見てもはっきりわかるほど変化する馬もいます。
個体差が大きいことも特徴のひとつです。
フケの時期によく見られる行動の変化
フケの時期には、次のような変化が見られることがあります。
・そわそわして落ち着かない
・集中力が続きにくい
・後肢を少し開いた姿勢を見せる
・他の馬への反応が変わる
・騎乗中の動きが普段と違う
「今日は元気がないのかな?」
逆に、
「妙にテンションが高いな」
と感じることもあるかもしれません。
しかし、それは単純な性格や気分だけではなく、体の中で起こっている変化が関係している場合があります。
「わがまま」ではなく体の変化
馬の反応がいつもと違うと、「今日は言うことを聞かない」「集中していない」と感じることがあります。
ですが、フケによる変化は本人が意図しているものではありません。
私たち人間でも、体調やホルモンバランスによって集中しづらい日や気持ちが揺れやすい日があります。
馬も同じように、自分でコントロールしきれない変化を感じている可能性があります。
そう考えるだけで、見え方は少し変わってくるかもしれません。
フケの時期に意識したい接し方
大切なのは、「いつも通り」を求めすぎないことです。
反応が鈍かったり、逆に敏感になっていたりするときは、無理に頑張らせるよりも、少し余裕を持った対応を心がけてみましょう。
例えば、
・扶助を柔らかくする
・運動メニューをシンプルにする
・その日の様子に合わせて内容を調整する
こうした小さな工夫が、馬の安心感につながります。
無理をさせないことは、甘やかすことではありません。馬の状態を理解して、その時に合ったコミュニケーションを取ることです。
牝馬のリズムを知ることで関係は変わる
春は馬にとって、見た目以上に体が大きく動く季節です。
その変化のひとつが、牝馬のフケという自然なリズムです。
「なんでできないの?」ではなく、
「今はこういう時期なんだな」
と少し視点を変えてみるだけで、馬との関係はぐっとやわらかくなるかもしれません。
見えにくい体の変化を少しだけ理解すること。その積み重ねが、馬とのより良い信頼関係につながっていきます。






























