乗馬インストラクターがお伝えする馬のお話。
今回は、馬のたてがみについてのお話です。
いろいろある馬のたてがみの役目
馬のたてがみは様々な長さ、厚さ、色があります。
美しいだけでなく、保護の目的やこコミュニケーションとしても機能します。
・野生下では、長いたてがみは捕食者の歯から身を守る障壁になります。
牡馬は、牝馬よりもたてがみが厚い傾向があり、争いの際に他の牡馬から身を守るための進化的適応であると考えられています。
・また暑い夏の太陽の下で、馬を涼しく保ち、冬や暖かくするのに役立ちます。
たてがみはこのように天候への適応や保護のために発達したため、地域(品種)ごとに長さや太さが異なります。
一般的に寒い気候で生まれた品種はたてがみが多く、暖かい気候で生まれた品種ではたてがみが少なくなります。
・たてがみの前髪は、目にたかるハエを防ぐのに役立ちます。
たてがみは馬のどちら側にあるか知っていますか?
右側?左側?どっちも?
実は馬のたてがみは右側にあるべきもの、とされています。
場合によっては不均一に成長して左側に倒れたり、頭側半分は右で背中側半分は左、などもあります。
そういった場合は右側に倒して編み込んだり束ねたりして矯正したりします。
競技で編む場合も右側になるように編み込みます。
これには理由があります。
馬の右側は「オフサイド」だからなんです。
馬に接する時には、一般的に馬の左側から何でもする、という事をお手入れのコラム等でお伝えしてきました。
《参考記事》「馬と仲良くなろう part1」 https://goron.co/archives/12935
乗る時や引き馬も、馬の左側で行います。
戦闘や移動で馬を使用していた時代、剣やバッグなどがたてがみに絡まないようにする事が重要でした。
そのため、オフサイドである右側にあるようにしたのが始まりです。
私の愛馬は左側にたてがみが倒れていましたが、結局矯正することなくその子の個性として左側のままで過ごしました。
あくまでも伝統的には右側に、という事ですが、実際には左側の馬も沢山いますし、矯正しない事の方が多い印象です。
馬のたてがみは馬の表情の一部のような美しさがありますよね。
品種によって目を見張るような美しいたてがみがあります。
ぜひ色々な品種の馬のたてがみ、チェックして見てください。