乗馬インストラクターがお伝えする馬のお話。
今回は、世界のホースセラピー事情についてのご紹介です。
ホースセラピーとは
最近、ホースセラピー(馬を使った療法)が注目を集めています。
障害を持つ人々や精神的な支援が必要な人々にとって、馬とのふれあいは心と体の回復に大きな効果をもたらすとされています。
今回は、世界各国でどのようにホースセラピーが活用されているのか、ちょっとした紹介をしてみたいと思います。
アメリカ:ホースセラピーの先進国
アメリカでは、ホースセラピーがとても広く普及しています。「PATH Intl.」という団体は、アメリカ全土で障害を持つ子どもや成人、退役軍人を対象に、馬とのふれあいを通じたリハビリプログラムを提供しています。
さらに「SpiritHorse International」では、特別支援が必要な子どもたちをサポートしており、馬と過ごす時間が自信や社会性を高める助けになっています。
イギリス:障害者支援の大きな柱
イギリスでは、1969年に「Riding for the Disabled Association(RDA)」が設立され、障害を持つ人々に乗馬や馬車運転などを通じてリハビリ支援を行っています。
毎年多くの人々に癒しを与えており、社会的な孤立を解消する手段としても大きな役割を果たしています。
オーストリア:
「Sterntalerhof」では、末期的な病気を持つ子どもたちとその家族にホースセラピーを提供しています。
自然の中で馬と触れ合うことで、心の癒しや家族の支えとなる場所を作り出しています。
病気と戦う子どもたちにとって、馬とのふれあいが心の安らぎを与えているのです。
日本のホースセラピー:まだまだ広がる可能性
日本でもホースセラピーは少しずつ広がりを見せています。
特に障害を持つ子どもたちへの支援として、さまざまな施設で導入されていますが、全国的に普及するためには、まだいくつかの課題があります。
質の高いプログラムの提供や認証制度の整備が進めば、もっと多くの人がホースセラピーの恩恵を受けられるようになるでしょう。
さまざまなホースセラピーの方法
ホースセラピーにはいくつかのアプローチがあります。
たとえば、理学療法士が馬の動きを利用して筋肉の機能改善を目指す「ホッピセラピー」、心理的な問題を解決するための「EAGALAモデル」、企業研修や個人の成長支援として活用される「教育・コーチング型」など、目的に応じたさまざまな方法があります。
ホースセラピーは、アメリカをはじめ世界中で広がりを見せています。
国際的なネットワークも存在し、例えば「HETI(Horses in Education and Therapy International)」という団体は、世界45カ国以上で活動しており、ホースセラピーの効果や倫理ガイドラインの普及に努めています。
これにより、ますます多くの人々がホースセラピーを通じて心と体の癒しを受けているのです。
ホースセラピーは、ただのリハビリテーションだけでなく、心の癒しや自己成長を促進する素晴らしい方法です。
世界各国でさまざまな形で実施されており、今後さらに多くの人々がその恩恵を受けることが期待されています。日本でも、これからもっと普及して、たくさんの人に馬とのふれあいの力が届くことを楽しみにしています。