乗馬インストラクターがお伝えする馬のお話。 今回は馬へのメディカルアロマセラピーについてお話します。
○メディカルアロマセラピーとは
香りによる心地よさや癒し効果に加え、精油がもつ薬理作用などに着目し、西洋医学ではフォロー しきれないメンタル面や不定愁訴などに対し、精油を用いて総合的にケアする芳香療法です。
○精油とは
アロマセラピーに欠かせないのが、植物の芳香物質を取り出した精油(エッセンシャルオイル)と 呼ばれるものです。
植物の花、葉、果皮、樹皮、根、種子、樹脂などから抽出した天然 100%の素材。
成分を高濃度に含有した揮発性の芳香物質で、各植物によって特有の香りと特徴を持ちます。
○精油の特徴
・芳香性 良い香りを放つ物質を芳香物質といい、どの精油も強い香りがあります。
・揮発性 精油を空気中に放置しておくと、徐々に気体に変化し、香りが空間に広がります。
・脂溶性(親油性)油とアルコールに溶けやすく、水には溶けにくい性質で水より軽いです。
・引火性(可燃性)精油は引火しやすいので、キャンドル式アロマポットを称する際は注意が必要で す。
○精油を使用する際の注意点
・原液は刺激が強いため、皮膚に直接つけないようにしましょう。
皮膚に使用する際は植物油等で 希釈して使用します。
・精油は飲用しなでください。
・精油はきちんとしたグレードのものを使用しましょう。(メディカルグレードを推奨)
【馬へのメディカルアロマセラピー】
馬は、私たち人間よりも感覚が優れ、繊細です。
嗅覚は何百倍も優れており、日常的な匂いにも敏感 です。
自然界にある植物や香りは、彼らが本来自分を癒すために本能的に選んで取り入れてきました。
人間がハーブを取り入れ始めたのは、自然の中で動物たちが選んで食べている植物を人も食べてみてその効果を知った事が始まりとも言われています。
○馬へ聞いてみる
人間へのアロマセラピーでもそうですが、馬により好む香りが違ったり、その日その時の体調や気分によって反応が変わります。
皮膚につかない様に注意して、ボトルのキャップを開けて、馬に嗅がせてみましょう。
・受け入れる場合
両耳が前を向く 上唇を上げて、舐めたりかじったりしようとする フレーメンをする
何度も嗅ごうとする etc
・拒絶する場合
素早く顔の向きを変えて戻そうとしない 歩き去る etc
馬が拒んだ場合は、その日はその精油を使用しない様にしましょう。
○注意点とポイント
・馬の健康状態、服用している薬やサプリメントを知っておく
・妊娠中、授乳中の場合はできれば使用しない
・馬が異常な行動をした場合は直ちに獣医師に相談する
・目、耳の周り、鼻、生殖器周辺、粘膜に使用しない
・希釈する際にはオイルを使用する
・濡れた馬体に使用しない
・騎乗前に鞍下には使用しない
○精油の使用方法 ディフューズ(芳香・拡散)
空気中にスプレーをしたり、ディフューザーを使用して厩舎に拡散 頭絡や無口に垂らす。
2塗布 全身、または局所に塗布する。
オイルで希釈してマッサージしたり、シャンプーに混ぜる
○おすすめの精油
・ラベンダー
効果:
落ち着きとリラックス 皮膚の炎症を和らげる
肌のトラブルを軽減する
虫刺され、炎症を和らげる アレルギー反応に対するサポート 緊張感を和らげる 安らかな休息を促す etc
使い方:
厩舎へのディフューズ、無口へスプレーする
ストレスの多いイベントの前に頸や胸前に塗布する
・ティートゥリー
効果:
天然の抗生物質
蹄鎖腐乱の改善 ジクジクした傷を乾かす
使い方:
希釈して塗布 厩舎にディフューズすると抗菌効果
【馬にも人にも優しい虫よけスプレーの作り方】
《材料》500ml のスプレーを作る場合
・アップルサイダービネガー 50ml
ディートという虫除け成分の代用になり、吸血害虫の感知能力を撹乱すると言われています
・無水エタノール 10ml 精油と水を混ぜ合わせるために使用します
・精製水 440ml
・虫除け効果のある精油(合計50滴程度 濃度0.5%)
・ペパーミント
・レモンユーカリ
・ローズマリー
・ローズウッド
・ニアウリ etc..
馬へのメディカルアロマセラピーは、同時に自分へのケアもできてとってもおすすめです♪
1 番取り入れやすいのが虫除けスプレーかと思います。メディカルグレードの精油を使用して、馬に も人にも安全で優しい虫よけスプレーを作ってみませんか?
天然成分なので、お手入れが終わった後の厩舎でも使用できますよ!